古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

2015-01-01から1年間の記事一覧

今年、やってきたもの

ここ数日の冷え込みで東京も”師走感”が出て来たような。 これぐらいじゃないと、ね。 門松が街のいたるところにデンと構え、正月道具を売る露店が立って漸く、な感じ。 年末作業も一通り済んだ。 で、時間にゆとりができたら今年の「古陶」と自分の関わりが…

真贋の事、とか…

真贋。 手元に来て、ちょい「?」のあるものに関して古陶数奇は得てして同友にそれを尋ねる。 …快い返答が来れば、まま。 否であっても、他に尋ね、只管に「?」をなくすべく奔走する。 「?」は多分感性から来るもので、大体それは正しかったりする。 前述…

肩肘

モノへの接し方、モノの感じ方が最近変わって来た。 なんと言うか、表現しづらいが「肩肘はらなくなった」というか…。 古唐津への愛情(熱量)は変わった訳ではない。 今でも「酒器」という言葉を聞くと前のめりになるし、良いものをみれば「欲しいなぁ」と…

磁片+陶片

お手伝いをさせていただいた「唐津・窯元ツーリズム2015」も無事に終了。 好天に恵まれた晩秋の唐津は美しく、艶やかだった。 勿論夜は呑み。 それも前回以上にへろへろになりました。 一番館坂本さんをはじめ関係者の皆さん、本当にお疲れさまでした! さて…

吉野靖義さんの事

吉野靖義さんが亡くなった。 現代陶唐津を再初期化した最重要人物のうちの一人。 「古唐津は粘土ではなく砂岩、または頁岩を加工した陶土によって作られたもの」と公言し、只管に 朝鮮半島からやってきた陶工の手法を追求された。勿論、その過程に自身のクリ…

バカラと古唐津

武相荘でのイヴェント以来、気にかかっていた。 それは何?、と言えば勝見師匠が提案された(古唐津+バカラ)。 どうにもならなくなり、師匠に打ち明けると「今度会う時に見せるよ。ちょい大きいのもあるから一緒に」との返事。 …で、その二週間後。頭の中…

2015 唐津 窯元ツーリズムにて

霜月入り、ですね。 今朝、St.James一枚で外出したら寒気厳しく、パタゴニアのフリースを取りに戻った次第。 こんな感じであっという間に師走を迎えてしまうような…。 ただ、そんなせわしさが加速する十一月は食であったり、ファッションであったり、はたま…

絵唐津大盃、ご返却

今日は師匠と昼酒。 日が高いうちの、蕎麦屋酒はたまらない。 お借りしていた絵唐津の盃 をお返しし、輪花盃が戻ってくる。 …それにしてもお借りしている間に随分と呑んだ。 洗われていた高台もお酒を吸わせまくったので、良い佇まいに。 嗚呼、良い盃だった…

心待ちした、独酌

どうにもこうにも。 続く出張…せわしくてならない。 忙しい…喜ばしい事なのです。 …が、なかなかに落ちつかず、リセット出来ずにいる。 旅先に盃を持って行くも時間が持てず、使えずじまい。 「この地のお酒を自身の盃で酌めたらどんなに良いか」と何度思っ…

武相荘でのイヴェント(温故知新 feat. 勝見充男&岸岳庵)を終えて

武相荘でのイヴェント、終了しました。 http://buaiso.com/ki/info/event/1461.html お忙しい中、武相荘にお越しいただきました皆様、有り難うございました。 反省すべき点は多々ありますが、なんとか無事に成し遂げられたのでまずは合格点なのかなぁ、 と思…

ひやおろし

酒屋さんでは「ひやおろし」がそのディスプレイの中心になっている。 ついこの間までは「夏酒」だったのに…。 本当に時の経つの早いもんだ。 そんな秋の主役は多種多彩。 どれもこれも美味そうなんだけど… 僕が選ぶとやっぱり”さがんさけ”になってしまう。 …

月見

畏兄から「お月見」にお誘いいただいた。 随分前からブックされていた案件があり、泣く泣くお断り…。 今宵は一晩中、古陶の盃を酌み交しつつ、数奇談義が繰り広げられるんだろうなぁ…と、 羨ましく思う。 十五夜… そんなこんなで趣をちょい変えてみた。 ベラ…

斑は難しい

長崎の師匠は、本当に物知りだ。 謙虚で、凛としている。 僕は肥前陶磁に関して「何か」あると躊躇せず師に教えをこう。 ほどなく「地に足がついた」分析をご教示くださる。 何事も瞬時に解決。 且つ、それで…なんと言うか、心が穏やかになるのだ。 今日もそ…

畏兄の片口

畏兄からのメイル。 「以前お見せしたもの、そろそろ返します。もう一度見たいと言われていたので連絡をしました。 近々に御遭いしましょう」と。 嬉しいお誘いなのだが、なかなかタイミングが合わず、昨夜漸く事がなった。 天吹純米吟醸を手に畏兄宅に。 挨…

ご近所にて

ポカン、と時間が出来た。 プールに行って泳いでも、まだ15時前。 「ご近所歴史スポットをなぞってみよう」と、なんとなく代沢から鎌倉古道を世田谷線西太子堂駅へ、そこから四つ目の上町で下車した。 まずは世田谷城址公園(意外に遺構が遺っている。ダイナ…

絵唐津筒大盃

いつもお世話になっているコレクターのF師匠。 肩の凝らない古唐津談義はいつも学ぶところばかり。 そんな師匠と昼蕎麦@木挽町。 昼早い時間から古陶で酌み交す愉しさといったら…。 その日もいつものように師匠は逸品をさらりと机上に出す。 「はじめて見せ…

旧白洲邸武相荘でのイヴェント~温故知新 feat.勝見充男 & 岸岳庵

企みその①。 唐津・北波多のカルチャー・プラットフォーム、草伝社さんと「温故知新」という”こだわり体感型”イヴェントを共同プロデュースしています。来る10月11日。東京での第一回を、良くしていただいている旧白洲邸武相荘にて行います。 ご存知の通り、…

企み

秋口に企みあり with 勝見充男師匠 in 東京&唐津。 唐津・北波多の文化プラットフォーム、草伝社さんと組んで不定期に開催している イヴェント「温故知新」。 今回も只管に古唐津&現代陶唐津の良さを追求します。 内容に関しては前回、前々回の「窯元ツー…

波戸岬の陶片

東京から呼子に在を移され、SNSで様々に発信されているYさん。 2012年に氏のブログに触れて以来、いつもその更新を楽しみにし、またその文章に刺激されている。「いつか直接語り合いたいもの…」と思って来たが、先の唐津出張の際にその願いが漸く叶った。 コ…

実家にて

酒屋さんから「夏酒」が姿を消し、 蝉がツクツクホウシ主体になってきた。 あの刺すような猛暑も一段落し、窓を開け放って寝ると明け方の風は寒いくらいに…。 この歳になり、季節の移ろいに敏感になってきたよう。 本業が夏期休暇になり、ここ数日は実家での…

古唐津 始源期

古唐津始源期の話し。 「岸岳城に拠った波多氏によって唐津焼ははじまったのだ。さかのぼれば室町では?」と強い口調で話される方が多い。その話題になると僕は意識的に話題を変える。丁寧に話しをしてもそれまでの“楽しい古唐津談義”が間違いなく”嫌な空気”…

西国へ

西国、という言葉の響きに憧れる。 僕の場合、何故だか九州以北の、中国地方のイメージ。 そんな、憧れの地にちょいとお邪魔して来た。 偶然手に入れる事が出来た「サンライズ瀬戸」=寝台車にての西行。 重ねての、偶然があり…。1981年の夏の同日、前述列車…

昼下がりの蕎麦屋

暑い日が続いている。 ここんところ、環境省から「熱中症情報」なんてものが頻繁に発せられている模様。 本日は危険度数★★★★、暑さ指数31.2だった。 屋外運動は原則中止で、屋内への移動、水分補給を呼びかけていた。 明らかに環境に変化が生じている。 以前…

贋物

贋物。 嫌な言葉だ。 唐津に関して言えば、昔から多くあったようですね。 酒席でも、諸先輩方がそういったものの話しをよくしてくださる。 それにしても… ここに来て、特に多く出回っているように感じる。 心に「すっ」と入って来ないモノ。 この手に強い骨…

今週も佐賀

今週も本業で佐賀出張でした。 南九州に停滞する梅雨前線の影響で台風並みの雨と風。 おまけに先週より重いタスクを背負っていたのでヘヴィでありました。 そんな中、今回コンソーシアムを組む相手先の通人に色々ガイドしていただき、 今までとは異なる「佐…

佐賀出張

本業で佐賀市に出張した。 有明サイド、しかも泊まりは2007年のKOHEI JAPANクラブ・ツアー以来。 緊張度数の高いタスクが山盛りだったがなんとか纏まり、盃をバックに放り込んで夜の街に出た。 僕にとって佐賀市と言えば=居酒屋ふるかわ。初訪は2002年春。 …

夏純と見込み

時折お世話になっている朝日屋酒店。 http://asahiyasaketen.sakura.ne.jp/ 先日のぞいたら、大兄にお教えいただいた七田・夏純が店頭にディスプレイされていた。 「あるんじゃん!」と小躍り。僕の知るところでは実家至近の蔵屋さんぐらいだったし。 http:/…

Jazzy Sportとガラスの酒器

クリエイティヴな音楽を世に問う事が難しい昨今。 そんな中、淡々と良質の音楽を世に送り出しているレーベルがJazzy Sportだ。 僕は彼らに色々な事を教えてもらっている。 http://www.jazzysport.com/ 敬愛する師匠の娘さんが、一昨年の師匠宅でのフォト・セ…

備前の徳利、唐津のぐいのみ

先だって師匠が「今度和楽で色々やるよ」と仰っていた。 前号もそうだったけれど、最近の同誌は僕の気になる事を特集してくれて嬉しい。 …で、内容は「バッチリ」だった。 敷居を低く、自分なりの楽しみ方を提案する。 そこには和楽なりの緊張感も伴っていて…

去って行くモノ達

俄に思い立って、”持っているだけのもの”を手放そうと思った。 …特に意味はない。 ここで何度も書いているようにモノは使われてナンボ、だ。仕舞われているだけではかわいそう、 心底そう、思っている。 とある晩。 独酌後、盃を仕舞おうとした際にその、”使…