古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

2012-01-01から1年間の記事一覧

友人の、心配り

いつも刺激を受けている友人。 付き合いは2005年から。 真っすぐで、噓がない。 疑わしきは扱わず。 顧客のリクエストをきちんと汲み取り、自分のフィルターを通したうえで(←ここ大事) 向けてくれる。 彼への信頼は厚く、僕に馴染んで手元を離れない酒器の…

平戸系の目跡

とある方に盃を見せていただいた。 形、釉調、土味からして、平戸北部系小森谷古窯発掘とわかるものだった。 が、高台をみて「!」、でした…。 くっきりと目跡が三つ!初見、でした。 彼の古窯の盃はどれもこれも陶枕の上に一つ一つおかれ焼かれていたもんだ…

中川自然坊さんのこと…

渋谷の黒田陶苑さんからDMが届いた。来週から中川自然坊さんの遺作展を行う模様。 そうか、もう1年なんですね。鬼籍に入られて。 自然坊、というインパクトのある名前を意識したのは2002年に発売された雑誌「Pen」の”徳利とぐいのみ”と銘打たれた特集号。以…

骨董屋さんからの着信

●見た目や本業ゆえか「人とコミュニケーションをとるのが得意」と思われる。~否、どちらかと言えば苦手な方。 ●一方、思ったら突き進む質。ゆえに行動力はある方かもしれない。 古唐津にのめり込んで10年弱。 ★当初は身を顧みずに大店から何から全てに飛び…

矢野直人氏 個展

もう一週間前の事ですが、友人の作陶家・矢野直人氏の個展に行って来ました。 ここ一年の、媒体における氏の掲出数は諸先輩を超える勢い。 自然、こちらも期待に胸を膨らませて、の「ぎゃるり あじゅーる」訪問でした。 想像を遥かにこえる出来。まさに「…」…

続・初期伊万里

長崎の師匠がまたも色々と教えてくださった。 http://blogs.yahoo.co.jp/moriei8503/30887725.html 先だって拙宅に座を移した初期伊万里の手塩皿。焼成された窯が知りたくて無理を承知で色々 お願いした。 師は「小溝」?と近しい、とおっしゃる。 と、いう…

とある、酒器展にて

古美術雑誌の広告にあった、とあるお店の酒器展に出かけた。 以前から欲しい、と思っているモノがそこにあったので。 けれど…開展時間を1時間間違えしまい…。 出展の目玉は軒並み「プロ」に”買われて”おり、店頭に残っているものは…なものばかり。僕の気に…

失態

週末、敬愛する人と酒席を共にした。http://www.tis-home.com/akira-sorimachi 以前よりその作品に魅了されていたのだが、ようやく願いが叶い仕事をご一緒出来た。 その打ち上げ、と言う訳。 お店は氏おすすめの中目黒の居酒屋。 活気に溢れ、お酒に強い拘り…

お酒を呑む、ということ

人間ドッグの結果が届いた。 普段から健康に気を遣っている。生来肉はあまり得意ではないし、どちらかと言うと少食。 たばこは吸わないし、適度にエクササイズもしている。ここまでず~っとA評価、だった。 今回はじめて「F」~経過観察を要する、との診断が…

新参者

拙宅にお出ましの、初期伊万里・伝世の小皿。 筆使いから描き手の息吹が感じられる。 どちらかというと華奢な、薄手のものが多い中、こちらは武骨。 くらわんか並みに厚ぼったい。 形はまんま、古唐津。 最近、初期伊万里と親和性がとみに高くなっているよう…

骨董屋さんのお気に入り

懇意の骨董屋さんと一献。 近況報告と、お取りおき品のピック&Mo’。 氏が披露してくれた2点の肥前陶器。特に盃がなんとも”へうげた”ヤツ。瞬間で「やられて」しまった。酒量が2合を越えた時分でどうにも我慢が出来なくなり「いくら?」と問うた。氏の気に…

初期伊万里数奇の、H氏と一献

拙ブログでリンクしたH氏と週末に一献。 肥前陶磁、そして李朝と嗜好を共にするお方。 足繁く骨董屋さんや市に通われ、確かなものを掘り出されている。何より嬉しいのは遠く彼の地に赴き、窯跡を巡られていること(←ここまでされている方はなかなかいらっし…

長崎のお師匠からいただいた小皿=平盃

独酌時、翌日が休みだったりすると酒量は普段の1.5倍以上増。興が乗ると只管YOU TUBEをディグったり、図録やら秦さんの著作を読み返したり。はたまた盃をとっかえひっかえ。 そんな乗りで8月ぐらいから頻繁に使うようになった見立ての盃。 酒肴を入れていて…

今シーズン、初めての燗

夏を超え、秋の気配が濃厚になってくると燗酒モードに。 今日は台風一過で随分と暑い一日だった。 …が、この時間になると虫の音がそこかしこから聞こえ、月も雲間から顔を出し、良い感じだ。 今日がシーズンの”燗はじめ”。そう決めた。 燗の温度は45℃。 酒器…

古陶と女性の相性は良い

以前より担当アーティストの作品でお世話になっていたミュージシャンと一献、酌み交わした。 仕切りは先方。 お任せのお店チョイス、はじめて降り立つ駅、そして週末の、賑やかな街に胸を高ぶらせて路地を歩いた。 …お店の佇まい、そして凛とした緊張感が心…

僕の贋物経験②

2度目の失敗、これが大きかった。色んな意味で。 その盃は同好の、遠方に住む人の所有だった。初見で気に入って即座に割愛を乞うもにべもなく断わられ、その後数度お願いするもその都度撃沈。一度見た、触った、そして呑んだその印象、感覚は日々育ち、僕の…

僕の贋物経験①

H氏のブログに触発されて2度に分けて僕の失敗体験を綴ってみます。 古唐津を好きになって10年弱。買ったり売ったりしながらここまで来ました。そんな中で過去2回、それなりにダメージの大きな間違いをやらかしました(実際は気づく前に手元を離れてしまった…

初秋の、窯跡巡り〆~作礼山

短時間にぐるぐる廻り、福岡へ。 虹ノ松原を抜けるタイミングでフライトまでの時間が余っていることに気付いた。 で、もうひと企みすることに。 「浜玉から七山越えで作礼山、行けないかな?岡本作礼さんの窯に行ってみたいし」と思ってナヴィを繰る。案の定…

初秋の、窯跡巡り③~盗掘への備え

cro-magnonのライヴに行って来た。明日早いので後ろ髪(刈上げているからないけど)を引かれる思いで場を辞したのだが、どうにも興奮が覚めやらず、眠れない。 と、いうことでブログをアップ。 今回の”弾丸窯跡ツアー”の、最終目標は僕の大好きな窯跡、葭ノ…

初秋の、窯跡巡り②~消滅した窯

藤ノ川内を後に、一路有田へ。 ナヴィでは移動に40分、と示されていたが実際には30分で現地到着。 目的地は広瀬向古窯。17世紀前半から長期間にわたり磁器が焼かれた窯。 2007年末に訪れた折、道路工事を前にした発掘調査を終えたばかりで一面に磁片が散乱し…

初秋の、窯跡巡り①

糸島半島・芥屋海岸での、九州最大のMusic Fes"Sunset Live”が終った。 3日間、フルで堪能。 1日、代休をとった。 当然、唐津へ。 ただ今回は今後の”企て”への土台作りが主な目的。なのでいつものような「古唐津~古唐津~」といった感じと趣きを異にした…

古唐津への、僕の接し方

敬愛する”東京の師”に言われた。 ”真面目すぎる”、と。 ”突き詰めすぎるとモノが逆に見えなくなり、間違いを冒すよ”、と。 ”贋物を恐れすぎない、もっと大らかな方が良いかも”とも。 確かに自分は諸事につけ生真面目に過ぎる、かもしれない。 この道について…

出会い、繋がり

僕が伊万里の友人からその人を紹介されたのは2006年の冬、だった。 以降その人を「師」と仰ぎ、様々に時間を共有してきた。 歯車が噛み合って、師のことを世に伝える機会を得られた。 出会いが、繋がりが生まれた。 平成の世に、僕らが今、こうして惹かれて…

斑唐津の、二度窯

先日、手持ちの小皿を友人に買いとってもらった際に話題にのぼったのが、「斑唐津の二度窯」。 発掘もんをもう一回窯で焼いてしまったら相当な目利きでも見破る事が出来ない、って話し。 その話しはご当地・唐津や伊万里でも何度か聞いたことがある。 斑は大…

衝動

時折やってくる衝動。 買ったはいいものの、使わずに仕舞い込まれている古陶たちへの「申し訳ない」という想い。 「いいなぁ」と思って購入。でも…手持ちの酒器との色目やら、大きさやらが合わなくて一回こっきり使わない…手元に数点、そういうモノがある。 …

古唐津の親水性

この場で何度も宣っている。 ”古唐津に取り憑かれている”、と。 僕にとっての魅力は多岐にわたる、がその第一に親水性があげられる。 朝鮮半島由来の製法=磁器を作らん、として図らずして派生した古唐津。 堅牢でありながらその親水性から著しい経年変化が…

諸々

信州・大町のお酒。 「これ!」と決めたらなかなか浮気しない質。お土産もの、ということでいつものお酒を外し、じっくり向かい合ってみる。 …なかなかに「乙」。 徳利がうっすら汗をかき、白濁釉の斑模様が際立つ。 酒徒としてたまらない時間を過ごしていま…

目の眼 小特集

里文出版刊「目の眼」最新号。 http://www.ribun.co.jp/me/index.html 拙ブログでも何度か採り上げた名著「肥前の古窯~肥前陶磁器の故郷を訪ねて~」著者:川口誠二さんへのインタヴューをさせていただきました。拙い文章ですが在長崎の肥前古陶磁研究家の…

光芸出版 ”徳利と盃”

月に何度か顔を出す下北沢の古本屋さん。 美術関係が充実していて、とても安い。 今回も光芸出版の「徳利と盃」がなんと400円で売っていた。 知人やら古美術店で何度も何度も読ませてもらったけれど、それなりの古書店だとう~ん、って価格だし、ってことで…

連休

連休、只管仕事。 スタジオ三昧でへとへと。ようやく今日、時間がとれたので葉山Oasisにちょい顔を出しに。 色々あって二年ぶりの森戸海岸。 一昨年までなら「あれ、来たんだ」と笑顔で迎えてくれたShinji Manは鬼籍に入り、お店のスタッフも随分と変わって…