波戸岬の陶片
東京から呼子に在を移され、SNSで様々に発信されているYさん。
2012年に氏のブログに触れて以来、いつもその更新を楽しみにし、またその文章に刺激されている。「いつか直接語り合いたいもの…」と思って来たが、先の唐津出張の際にその願いが漸く叶った。
コーヒー一杯で二時間ばかり、只管に唐津の事について語り合った。
否、語り合うではなく、氏の迸る語りに聞き入っていた、というのが正しいところ。
その一つ一つが含蓄に富み、しっかりとした論拠がある。
ブログを読む度に思っていたが、こういう方の提案に耳を傾ける事が、数ある唐津周辺の諸事案解決への糸口になるのでは、と感じ入った次第。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mstmrtrsp/20010101/20010101030410.jpg)
さてその時に氏が「お土産に」とお持ちになったのがこの陶片。
![イメージ 2](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mstmrtrsp/20010101/20010101030420.jpg)
波戸岬の海岸を掃除している際に発見されたとのこと。朝鮮半島産の堅手かな、と思いましたがどうにも違うよう…。随分と摩耗しているが、高台まで施釉されており、土味、また釉薬の特徴からして平戸系の皿、または向付では?と思うように…。
加えて、これは結構、面白いな、と。
…というのも近接の名護屋城が諸将で賑わった1590年代末の遺構からは、古唐津はほとんど見つかっていない(朝鮮出兵が終わり、このあたりの行政の中心が唐津城に移った後、名護屋城は廃城。だが城番はおかれており、その時代のものは少量発掘されているように聞いた)。
しかもこれが平戸系の陶片であったら…。
このような様々な推測が出来る、ということがなんとも楽しいし、この趣味の醍醐味。
近々一度、現地の学芸員の方にこの陶片をみていただき所見をおききしたい、そう思っている。
~その結果は追ってご報告致します。
![イメージ 3](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mstmrtrsp/20010101/20010101030430.jpg)
←参考までに…こちらは平戸系小物成古窯の陶片。
こんなきっかけをいただきYさん、有り難うございました。
「塩辛」も「唐辛子」も最高でした。
今後とも宜しく御願い致します!
![イメージ 4](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mstmrtrsp/20010101/20010101030440.jpg)
←(追記)森川天さんからのコメントを受けて、小十冠者古窯の陶片をアップ致します。やはり鉄分が多いですね。