古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

2010-01-01から1年間の記事一覧

2010年を振り返り

2010年。 古唐津数寄、いや古陶数寄として一言で「前進」の1年であったように思う。 使用せず、ただあたためてきた蒐集品に見切りをつけ<=過去の諸々を清算>、かつ媒体にも顔を出させていただき、諸先輩方の貴重な意見をうかがう事が叶った。 大晦日…

久しぶりの、窯跡散策

取材は予定通りに終了。 翌日は帰京時刻までそれなりにゆとりがあったので「目の眼」編集長I氏、カメラマンK氏、そしてコーディネーターの、これまたI氏を肥前・名護屋城址へお連れする。 唐津焼の根本、というかVibesを皆さんに感じていただきたかったから…

久しぶりの高台部会

年末忙中、取材で弾丸出張。 いや~、またしても目福に授かりましたぁ。メチャクチャ色々見させていただきましたが僕的に 「キタァ~ッ!」、ってのがこちら。 絵唐津水差:伝世<市ノ瀬高麗神産> 市ノ瀬<徒幾川内も>特有の太い高台、土味、酸化炎焼成の…

器の”気”

過日、年明けに発売されるという骨董雑誌・別冊<酒器の本>の取材をお手伝いした。「古唐津~酒器談義」というテーマで私なんぞ足下にも及ばない蒐集家さんとの対談。 そのお方の品を前に色々とお話しを伺う。古き良き時代<昭和40年代前半>のエピソード…

刷毛目小碗

友人と定期呑み@西荻。 以前にも呑ませてもらった盃、というか小碗。気になって仕方なくてリクエストして御持ちいただく。 口辺は分厚く、全体の形は武骨。だが持ってみると伝世品のせいか丸みがある感じ。手取りはずっしり重い。容量は5酌、盃というより小…

酒肴の話

ここのところ、このスナックにハマっている。 パスタのフライ、です。軽い食感でビールのお供って感じ。でも冷酒にもあうかな、と思い… やってみました。 初期伊万里のお皿に盛って。 結果~ 凄く合う、けれど…。 どうにもスナックが主役になっちゃう。僕の…

日本酒のお話し

ここ数年、秋冬の独酌は福島の「大七 生もと」<純米>で通してきた。 今年は例年になく、諸先輩方に美味しい日本酒をご紹介いただいた。それゆえここのところ”浮気”したい気分で…。 何気に近所の拘り酒屋「唐木屋」さんでその旨をお話しすると千葉のお酒「…

黒唐津片口

金曜日夜、友人の骨董屋さんから写メ。 ここ1年ほど探している「黒唐津片口」だった。 低画素の写真からも金石原のものでないことがわかる。 で、お店に直行。 武雄系祥古谷古窯発掘もの、とのこと。 径12センチ弱、若干器高が低く、容量は独酌にはちょい…

蒐集家宅訪問

先日、来春刊行予定の古美術書籍の取材に顔を出した。「酒器」が主題、しかも希代の蒐集家宅、ということで上がりまくりの訪問。 いや~筆舌に尽くせない、ということはこういうことを言うんですね。 逸品ばかり、でした。近々詳細、ご報告します。 特に絵唐…

琴線

家のそばの公園にて。落葉が本当に美しい。 ついこのあいだまでの蝉時雨が嘘のように静まり返り、赤、黄の絨毯が敷き詰められている。 ソメイヨシノ、です。 こういった日常の些細な出来事が”格別の事”に思えるようになった=琴線に触れるようになったのは歳…

土曜の午後、骨董通りにて

週末の土曜、デスク・ワークがたまっていたので休日出勤。 静まり返ったオフィスは嫌いじゃない。電話もないから仕事はガシガシ進む。 予定よりも早く終わり、南青山近辺の骨董屋さんを数軒のぞく。 最初の骨董屋さんで「グッ」とくるもの2点に出会うが「再…

筒盃・グイのみの謎

過日、昵懇の在唐津市陶芸家が呟いた。「唐津の始源やらなんやらも解きほぐしたいが、何より当時朝鮮半島で作られていなかった筒形の小盃がなんであそこまで唐津諸窯で作られたかがわからんのです」、と。 それまで全く意に介していない事だったが、以降折り…

筑波へ

ここ二ヶ月ほど、商用で筑波学園都市を頻繁に訪れている。 今日も昼1時に彼の地へ。 それにしても利根川をこえた辺りの車窓<つくばExpress、からの…>は素晴らしい。茨城の血が流れる小生には堪らなく嬉しいんだな。特に水田のそこかしこにある、屋敷林に…

道中にて

週末は故あって、群馬・桐生。 ジャケット&タイ、ということで久しぶりにオールデンのコードバン・チャッカを履く。これこれ、この重みがいいんだよなぁ。買ってから15年、完璧にフィットしてくれていて、良い感じにエイジング中。物持ち良いね~、俺。 …

埋蔵文化財について考える

週末はご近所・松陰神社の「幕末維新祭り」に。 毎年、楽しみにしているお祭り。 試飲の日本酒でとろとろになってしまう。 それにしても「龍馬伝」のおかげか例年になく凄い人出、でした。 帰宅後、新聞を読んでいたら興味深い記事が。 朝日新聞・東京版から…

陶談

先日、一力安子さん、ご家族、そして目の眼・井藤さんと「絵唐津文様集」刊行お疲れ会があった。 ここに到るまでに本当に色々な事がありましたが、形になって正直ほっ、としている。 美味しい料理とお酒。 3時間にわたり、古唐津について色々と語り合う。 …

初期伊万里・百間古窯のこと

ここのところ独酌ではなにかしら一点、磁器を組み込んでいる。 ~別冊太陽「古唐津」でも触れられているように、陶器ばかりだと盆の上が野暮ったくなるがゆえ。 実際、すっきりするし。…ただ僕の持っている磁器と言えば、李朝白磁徳利が一本と、初期伊万里の…

月見酒

意外に仕事が早く終わった。 雲の合間に見え隠れする月がなかなか良かったので、ベランダの戸を全開にして呑んでいる。 ついこの間まで熱帯夜だったりしたことが夢のような、心地よい夜。 直に床に座り、ぐいぐい。 久しぶりに全て陶器<正確には違うけど> …

絵唐津文様集のこと、など

先日の”へうげもの”イヴェント、HAKATTANAの二次会でのこと。 唐津市在の陶芸家・矢野氏に「絵唐津文様集、あれ九陶に写しがあったでしょ。で、それをチェックしてて文様の参考にしようと思っていたとこだったんですよ。刊行されて嬉しかったなぁ」と言われ…

へうげ十作・九州・急襲/HAKATTANA

なにかと話題のこのイヴェント。初日に顔を出してきました。 現代の感覚で言うところのカッティング・エッジ=「へうげた」作家さん達~”へうげ十作”を質実剛健な唐津、伊万里、有田の気鋭の作家さん達が迎え撃つ、人気マンガ”へうげもの”を介してのコラボ展…

秦秀雄さんの本

近所の図書館で、本を借りた。 秦秀雄さん著の「やきものの鑑賞」。氏の著作では「骨董玉手箱」とか好きで今でも繰り返し読んでいるけど、こっちはその数倍も面白かった。 なんでもっと早く読まなかったんだろうねぇ? 秦さんは本当に唐津が好きだったんだな…

掛け分けの徳利 だったり、根来だったり

今日は会社の創立記念日でお休み<因みに「都民の日」で東京都に関わる教育機関はお休みです>。 ゆったりと過ごし、ゆったりと呑んでます。 今宵は~新たに拙宅にやってきてくれた 牛石の掛け分け徳利&根来の折敷のコンビではじめました。 後者は疎いジャ…

振り出し、とか

友人の骨董屋さんと呑んだ。 My盃を持って行かなかったのでひたすらビール。楽しかったなぁ。 その時に友人が見せてくれた藤の川内産と思われる斑の振り出し。 ”超”のつくかわいらしさ、です。しかも伝世! メジコレ、に出品されるのかなぁ? http://www.mej…

同手

懇意の骨董屋さんで拙蔵の皮鯨 http://blogs.yahoo.co.jp/mstmrtrsp/30948083.html とほぼ同じものに出会った。違いは”味の付き方”だけ。あとはまんま、である。同じ陶工、または陶工グループの手によるもの。こういった経験、なんどかありますが、やっぱ4…

いただきもの2

今日の東京は朝から不安定な天気。 一頻りの家事を済ませた後にいただきものの葡萄、<甲斐路>をつまむ。 やっぱり葡萄はこれだなぁ、と。 仕事は夕刻から。 まったり過ごしながらも徐々にVibesを上げていこう、と思う。 …で、仕事終了<22:39> 凄い…

出張の楽しみ

仕事柄、出張が多い。 そんな出張の際の楽しみは仕事を済ませての「地物を肴にこれまた地酒で一献」やら古美術数寄として「骨董屋さん巡り」、とか。 まぁ、これは当たり前として…僕の場合、もう一つに「地元の本屋さんをのぞく」というのがある。 空いた時…

いただきもの

マスカットをいただいた。 一晩冷蔵庫。 水洗いして房から直接頬張った。 甘味と酸味のバランスが絶妙でとても美味しかった。 で… 房からほんの数個を古唐津の向付にのせて食してみた。 格別でした。 「器は本当に大切だなぁ」、と再認識。 こういう”感じ方”…

Remind Me

欲しい物があって、気持ちが残りながらも手放した物。 男女に例えると"事情があって別れなければならなかった二人"、という感じ? そんな彼女<古唐津>と期せずして再会すると、どうにも切ない気持ちになる。 古美術はとてもニッチな世界だからしょうがない…

燗酒

今日の東京はぐっ、と秋めいた。2、3日前の暑さが嘘のよう。 帰路、馴染みの酒屋で大七・生もとの純米を一升瓶で買う。 この秋、初めてのお燗。 徳利は堅手。 手元に来て7年になる。久しぶりに取り出してみたら、新たなシミがでていた。”育った”ってやつで…

五島美術館・茶道具の精華

昨日、2011年に向けての新プロジェクトMTGがあった<本業のお話し>。 その席でプロデューサーであり、エディターのF氏が「この仕事を理解してもらうにはまず、”破袋”を観てください」とおっしゃった。 で… 早速今日、五島美術館に観に行ったのである。 仕…