古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

2017-01-01から1年間の記事一覧

真冬の、平盃

今年もあと二日。 嬉しい事に多忙な日々を過ごし、まさに光陰矢の如しの一年でありました。 前回にも記した通り、骨董にじっくりと向かいあうこと叶わず、刹那に手元にある酒器に癒され、ここまで来た感じ。 もう少しで、2018年。 それにしても今年は…サラリ…

斑の見込み

忘年会ラッシュが終った。 …というか、2017年の仕事を納めました。 本業でバタバタ、出張三昧…骨董に、古唐津になかなか向かい合えない一年だった。 一方、初源伊万里に関しては「目の眼」誌連載にて自分なりの「肉薄」が出来た、ような。 そんなことをつら…

古唐津数奇の忘年会

過日、古陶数奇、否、古唐津数奇が集う忘年会に参じた。 2007年以来、の参加…あの日のことはつい昨日の事のように覚えている(窯跡巡りの後だった)。 光陰矢の如しとはこのこと、と再確認。 宴はジャック・マイヨールが懇意にしていたおすし屋さん。 柱にサ…

初源伊万里 連載終了

初源伊万里。 日本の磁器、その創成期のやきもの。 昨年末に勝見師匠と有田を取材旅行し、井藤社長に乞うて「目の眼」誌での短期連載がスタートしたのがこの六月。あっという間の一年でした。取材に関わってから古唐津をはじめとするモノへの接し方も変わり……

陶友との昼酒

先週末、親しき陶友が来京。 ひがな古陶話に飢えている。そこへ価値観を同じくする友が…となれば是が非でもスケジュールを調整するのが男の、否、古陶数奇の流儀なりw。 氏曰く…最近遠ざかっている刷毛目盃をかわいそうだ、と購入したお店で引き取ってもらお…

同窯の、筒盃

久しぶりに懇意の骨董屋に顔を出した。 ディスプレイには良い感じにひしゃげた伝世茶碗から、発掘の手の大きな市ノ瀬の片口やら ちょいちょい古唐津が。 一頻りの商品チェックと当たり障りの無い世間話後に「何か見せてよ」と問う…いつもこんな感じだ。 大概…

何処へ行っても唐津数奇

四泊五日の国内出張に行ってきた。 海外でもないのに、これだけの、ってのは長いサラリーマン生活でもはじめて、だ。 赴くエリアは広島県三原市。 好きなまちだし、重いタスクに関わらず心持ちは軽かった…というのもちょうど真ん中の 三日目がオフである、と…

燗酒の香り

今週末も嵐、だ。 拙宅近くを走る東急世田谷線沿線の十月は「お祭り月間」。 …週末毎の台風でどうにもいかぬ。 三軒茶屋の「三茶de大道芸」、そして松陰神社前の「幕末維新祭り」いずれも惨憺たる状況…。 特に、後者で山口の地酒を、というのが毎年の決まり…

日々の諸々

ここのところ、本業多忙で座があたたまる暇がない。 これはこれで嬉しい事。 だがアウトプットばかりでインプットがままならず、色々な意味でバランスが悪い…そう感じていたのも事実だ。 そんな中、思い切ってウィークデイに休みをとった。 以前より父から提…

過日の酒宴

骨董という趣味はマイノリティが故、出版物が少ない。 自分の趣向にあう書物に巡り会えればすり切れんばかりに読み返し、読み込むは必定、だろう。 自分にとっては… 勝見師匠の著作であり、 青柳恵介大兄のものであり、 なによりも珍品堂こと、秦秀雄翁のそ…

拝啓 古唐津太郎様

古唐津や初期伊万里に魅かれる。 その想いを只管にはじめはmixi、そして2007年以降はこの場に綴ってきた。 様々な繋がりが生まれ、有難い事に最近では新聞や骨董誌で連載までさせていただいている。 そこで気をつけているのは断定を避ける事。 僕はその道の…

虫の音

僕の住むまちは23区の中で「都市型農業」を売りにしている。 …が、拙宅付近にはなかなかどうして草生い茂る空き地が少ない。 幼い頃から虫の音が好きで、またそれに囲まれて季節を、秋を過ごしていた。 故、この家に越してきた直後「もう虫の音を聞くのは難…

「目の眼」初源伊万里 短期連載

「目の眼」誌にて初源伊万里についての連載をさせていただいている。次号がその2回目。https://menomeonline.com/ 昨年末の勝見師匠との有田取材以来よりそのやきものの謎を追いかけているが、 その思いは日に日に加速度を増しており…。 連載第二回は徹底し…

秋、ゆえのとくり

盆休み、実家でのんびりしていた。 ほんの2週間前、夜店祭りでごった返したまちはいたって静か。 不安定な天候にいつも蝉の音も元気が無い。 暇つぶしに歩いた雨上がりの七国山は虫の音の大合唱であった。 嗚呼、もう秋。 見た目に里山の木々に衰えは見られ…

青唐津の片口

本業がなかなかにうまく進まない。 丁寧に処しているつもりが、負けが続いている。 そういう時期なのかな…。 そんな時、自分を再初期化し、モティヴェーションをあげてくれるのが古陶の世界。 このタイミングで、伊万里の師匠が素敵なものを割愛してくださっ…

シーンを牽引するアーティスト達

うだるような暑さ。 梅雨、明けてんでしょ、これ…。 気を紛らわそうとのぞいたフェイスブックのフィードにふっ、と表れたトピック。 梶原さん、山本さん、竹花さん、浜野さん、そして矢野さん…。 現代肥前陶磁シーンを牽引する畏友達が只管に酒器陶談に没し…

平戸系の土味

「目の眼」誌連載の下調べで過去巡った平戸系の窯跡の写真をチェック。 更には蔵している陶片も一つ一つ確認。 改めて思うのは「平戸系の土味はきめ細かくきれいだなぁ」ということ。 作陶家 梶原靖元さんが初源伊万里仁関するインタヴューで語っていた事が…

見込み

久しぶりに自宅独酌。 夏酒を買っておきながら抜栓ままならずな状態が一ヶ月続いた。 まぁ、忙しくてなにより。 漸くの、時間。 自分にとってのご褒美タイムゆえ、どんな酒器を使うか、昼過ぎから思いを巡らしていた。 …が、結局夏酒には、ってことで”ガラス…

初源伊万里に関する連載のこと

初源伊万里に対しての思いは更に強くなっている。 重ねて記すが「モノを欲しい」というよりも「知りたい」、というモードなのです。 思いが強くなるとどうにも行動に出てしまう性分。 勝見師匠と「目の眼」井藤社長、そして白洲編集長にそれを汲んで頂き、 …

秦秀雄翁のことなど

「工芸青花」刊行七号。 それに「秦秀雄と私」と括られた100Pにわたる特集が掲載されている。 所縁のある、また想いを寄せる方々が寄稿しているがその”肝”は翁の三男、笑一さんのそれと最近発見された翁の日記。そのインパクトがハンパ無い。 著作であったり…

初源伊万里=初期有田

日帰りで愚息と湯河原へ。 GW。 小田原がごったがえしていたので心配だった。 …が「そこそこ多め」ぐらいな感じの彼の地はやはり良い。 天気よし、加えて杉の無い山々の木々が美しく。 心がすっ、と軽くなると言うか洗われる、というか。 今度は安宿に泊まり…

三島のとくり

連休真っ只中。 後半は出張だが、ここ数日はのんびりできそう…そんなこんなで、早くからやっています。 無粋だが万齢の純米をキンキンに冷やし、久しぶりに登板の三島に注ぎ、ツィーっと。 このとくりも拙宅に来てもう5、6年。 燗酒専用、でしたが今宵はな…

近況やら、なんやら

相変わらずせわしい毎日だが、なんとかしのいでおります。 …が、忙中閑あり、でして目白コレクションだったり、師匠のイヴェント「自在屋 春の小さな即売会×若手三人幻の初源伊万里展」なんぞに顔を出したり。 前者で収穫はなかったが図らずも陶友達と愉しい…

寝落ち

出張で三原に。 小早川隆景公が築いた三原城は今年、節目にあるよう。 町のそこかしこに「瀬戸内三原 築城450年」と記した幟が旗めいていてなんとも賑やかだ。 …城跡のほぼ中央を山陽新幹線、山陽本線がぶち抜いているため、駅から本丸に直接アプローチ出来…

小さなとくり

新規事業を立ち上げて2年。 相手先の朝が早いもんで、すっかり朝型に。 必然、床に入る時間も早くなり、ゆったりと独酌なんてモードではない日常。 …それでも自分を整えたい時は深夜であろうと、ちょいと呑む。 片口は仕舞うのが便利。 ここんところ、それば…

寒の戻り

桜が咲いた。 最高気温が15℃を超えた。 …と思ったらぐ~ん、と冷えた。 衣替え、とクリーニングに出して戻ったばかりのマウンテン・パーカを再登板。 勿論、ヒートテックも。 四月半ばまではこんな感じなんでしょうね。 さてさて。 今日は久しぶりに懇意の骨…

引き続き、初源伊万里を追いかけている件

掲題の通り、相変わらず初源伊万里を追いかけている。 そこには蒐集欲、のようなものは無い。 その正体がなんなのか? ひたすらに、只管に「知ろう」としている。 僕は一端スイッチが入ると突き進むタイプ。 どうにも止まらない。 過日も新たな企画の仕込み…

初源伊万里を追う

ここのところ、只管に「初源伊万里」を追っている。 「追っている=骨董を探している」、ってことではなく「理解しようとしている」って意味で。 わかっている人にわからないことを聞く。 …で、人はそれを理解し、満たされる。 けれど… 初源伊万里を理解して…

初源伊万里特集の反響について

骨董月刊誌「目の眼三月号」における”初源伊万里特集”。 2009年に企画した”古唐津特集”と比較して拙ブログの閲覧数が段違いに多い(約三倍)。 当時と比較にならないぐらい各世代、ネットリテラシーが高くなったし、何よりも今までちゃんと扱われていなかっ…

初源伊万里のトーク・イヴェント

「目の眼三月号 初源伊万里特集」に関して各方面から多くのリアクションを頂き、とても嬉しく思っています。「良かった」というのもあれば「なんだありゃ!(若干の怒気含み)」まで多彩多彩。 その中でも印象が深かったのは2009年の「目の眼 古唐津特集」で…