古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

2008-01-01から1年間の記事一覧

会寧・皮鯨茶碗

先日、友人の骨董屋さんと呑んだ際に見せていただいた会寧のお茶碗。 口辺に鉄釉がまわしてある。土味を除いて、まるで岸岳・帆柱、皿屋古窯で焼かれたもののよう。古い箱には「斑唐津」と”お約束”のように記されてあった。 彼は「時代としては古唐津よりは…

初期伊万里小皿・修理完了!

以前にここで書いた初期伊万里 http://blogs.yahoo.co.jp/mstmrtrsp/20688925.html の修理が上がってきた。「金で」と言っていたに関わらず「銀」で上がってきた。なんだかなぁ、と。まぁ、それなりに落ち着いた感じになるから良し、とする。 早速使ってみた…

発掘調査

仕事発注先のオフィス裏で発掘調査が行われている。 江戸初期は旗本屋敷、中期以降は町屋になっていたよう。近くから見ることはできないのだがきらきらと磁器片らしきものが散見される。 関わっている人に聞いてみると肥前磁器が何点か、それに瀬戸系陶器が…

初期伊万里・窯、特定のこと

以前このブログで触れた初期伊万里の小皿。http://blogs.yahoo.co.jp/mstmrtrsp/20688925.html 詳しい方にご教授いただき、文献をディグり、はたまた所有の広瀬向、天神森、原明、清六の辻他古窯の陶片をチェックしたり・・・。で、それなりの結論に到った。…

思えば遠くへきたもんだ

盃3種。 いずれも平戸北部系・小森谷古窯の産。時空を超え、今・東京の拙宅に在する。 400年以上前に佐賀県西有田で朝鮮半島からやってきた陶工によって形創られたもの。作り手は土に帰した、が盃は焼成時とほぼ変わらぬ体。 よくよく考えると凄い事だな…

無地唐津波縁向付

これまたヤフオクで落とした波縁の向付。 なんだか知らないが、小皿やこういった向付を見つけるとたまらなく欲しくなる。「たまる~売る~たまる~売る・・・」を何度となく繰り返してきた。 今回買ったものは釉薬がトロっとして、随分使い込んだ中途伝世の…

初期伊万里のお皿

例によって、ネット・オークションをチェックしながらの独酌。そしたら初期伊万里の小皿が出品されていた。 ウォッチ・リストに加えた数日後、思った以上に安く落札できた。手元に届いたものはそれなりのもので、早速修理へ。多分買値より修理代のほうが高く…

真田紐

最近、紐や古布なんかにも興味がでてきた。手始め、ってことで手持ちの古陶の桐箱や杉箱を弄ってます。で、先週末。大阪出張の間を縫って、西荻窪の骨董屋JのTさんにお教えいただいた京都の紐屋さん・伊藤組紐店に行ってきた。 店構えといい、真田紐の数々は…

唐津はないよ

「ないねぇ、唐津は」、「唐津はないよ」などなど・・・。どこの骨董屋さんに行っても言われる、お決まりの言葉。あるにはあるけど、きちんとお店が胸を張って勧められるモノがない、というのが実のところ。良いものは出たらすぐに収まるところに収まってし…

古唐津~故郷忘じ難く候

司馬遼太郎さんの小説に「故郷忘じ難く候」という作品がある。先日押入れを整理していた時に数多の文庫本に混じって出てきた。初読の頃<90年代初頭?>、焼き物などに全く興味はなかった。古唐津に夢中になっている今、改めて読んでみると全く別の作品のよ…

高台部会 その2

古唐津では少数派に属する「イッチン」<白土釉>技法を用いた片口。素麺手<そうめんて>ともいう、このキテレツさ加減に「引かれる」方も多かろう。実は私もその中の一人で「へんてこだなぁ」なんて思っていた。が、松浦系田代古窯跡でこの「イッチン」の…

高台部会

本業がバタバタ。翌朝を考えると深夜の独酌も叶わない。お慰みに愛蔵の古唐津を箱から出したり、仕舞ったり。そんな事をしているうちにと色々とお教えいただいている骨董屋さんhttp://www.fufufufu.com/menouroko/default.htmlが「高台学会」なるものを主宰…

独酌の友 Vol.2

勝見充男氏の本を読んでから、お盆というものを意識するようになった。氏が書いているように、それなりの木地盆を敷くだけで「自分だけの結界」みたいなものを手軽に作れる。が、そうそう出会えるものではない。値の張るものではないけれど、物色しだして5…

独酌の友

独酌。 お気に入りの純米酒&酒器で過ごす深夜のひと時。これがあるから明日への活力も生まれる。お酒は福島の大七生もと<きもと>。酒器はその時々によって色々考えて<そんなにヴァリエイションがあるわけではないけれど>。 酒器~これは迷わずに決まる…

鮨屋にて

以前友人にいただいた掘りの手の土灰釉小皿<小森谷?>。 呼び継ぎされていたんだけど、その修理がいけてなくて改めてお直しを依頼。すっかり存在を忘れたころに手元に戻ってきた。還元炎焼成でかちんかちんに焼けた肌、ところどころに見え隠れする斑釉のよ…

ミュージアム・ピースの片口 Vol.2

前回に引き続き、今回も九州陶磁文化館の蔵品。 生憎、高台の写真はないが、診たところ市ノ瀬高麗神、または徒幾の川内古窯で焼かれたもののようだ。腰から下の焼きが若干甘い。また見込みには<写真が見難いが>小盃でも焼いたように思える、小さな目跡が4…

ミュージアム・ピースの片口

過日、古唐津交流研究会の活動の一端で、九州陶磁文化館の所蔵品を”ガラス越しなし”に触れる機会に恵まれた。数々の逸品の中で、私の琴線に触れたのが、写真の片口。 径20センチ、器高10センチ以上はあろうかと思われる大振りの、長石釉がたっぷりかかっ…

焼きの甘さ

骨董屋さんの常套句で「この程度の焼きの甘さであれば、よい感じに育ちますよ」と、言うのがある。ご存知の通り、カセや焼きが甘いと<酸化炎焼成>、すぐに汚くなってかびも生える。これは間違いなく、例外はない。 ここのところ、伝世品に触れる機会に恵ま…

小森谷・皮鯨

先週末、空いた時間に陶片の整理<窯別に分ける>した。その時、このブログの全身であるmixiのコミュニティでも触れたトチン付きの”ヘタリ”皮鯨陶片が出てきた。 改めてみてみるとなかなかに興味深い。 籾殻を引いたトチンの上にちょこん、と乗っている。こ…

価格差

古唐津を好きになって、少しづつ蒐集をはじめて気がついたこと。それは九州のモノに対する評価額が東京の比にならないくらい高い、ってこと。骨董屋さんは勿論、個人レベルでも。今やネットによる売買がメインになりつつあり、そういったこちらの感覚からす…

窯跡散策を考える

古唐津の窯跡を歩くのが好きだ。古の人々の営みに想いを馳せ、落ちている陶片を手にしたり。日々の喧騒から程遠い静寂と自然に包まれて、次第に癒されていく自分。まぁ、変わった趣向かもしれないが、半年に一度ぐらいの、そういったアクションが日々のモテ…

燗はじめ

先週末から今週頭にかけて、本業の出張http://www.beachcafesunset.comで福岡と糸島半島の芥屋を行ったり来たり。昼は真夏並みの暑さなんだけど、夜はめちゃくちゃ涼しい。キリギリス、マツムシ、そしてクツワムシといった虫の音に秋の到来を感じた次第。 帰…

嵐の後

ここ数日の東京は本当にへんてこな天気。 ニュースでもよく採り上げられているけど、雨の量がまじでハンパない。バケツをひっくり返したような、という形容がどんぴしゃな土砂降り。前触れもなく降り出して、それが一夜続く。昼になると晴れ間ものぞく、が気…

盗掘について

伊万里市に住む友人から連絡があった。「椎の峰がまた盗掘にあった」と。2007年にも大規模にやられているが、今回も縦4メートル、横3メートル、深さ2メートルの被害。 前回、事件直後の古窯跡に赴いて絶句した。本当にめちゃくちゃ。工事現場みたいな感じだ…

皮鯨、たびたび

時間があるので今日2度目のUp。 「皮鯨は欠けやすい口辺の強度を高めるためじゃないの?」とこないだ皮鯨の山盃を譲っていただいた骨董屋RのAさんが言われた。昨日酒席を共にした今、最も信頼しているHのHさんも同じようなことを。「朝鮮半島には窯傷…

古唐津研究交流会

縁あって「古唐津研究交流会」に所属している。 数奇、というよりも学術的に古唐津を検証するコミュニティ<20台から上は80台まで、唐津、伊万里、有田といった窯業に関わっている人々をを中心として構成されている>。古窯跡検分、盗掘埋めなおし、地質…

皮鯨山盃

今日は仕事を早仕舞いして京橋。ここのところ、懇意にしていただいている古美術Rさんへ与太話をしに。本業のオフィスから近いこともあるが古唐津に対する愛情が深いところ、伝世と掘りの手を分け隔てしない審美眼、そして心安さが僕の琴線に触れている。 入…

斑皮鯨のルーツ?

写真上2点のお皿は会寧に強い骨董屋さんが所持していたもの。珍しい皮鯨。 彼の言では「会寧であることは間違いない。が、古唐津が作陶されていたとされる時代よりずいぶん時代が下がるもの」、とのこと。岸岳系や岸岳外系の諸古窯に見られる斑皮鯨。このお…

割ってしまった・・・。

随分前に岸岳山麓で作陶をされている方に古窯めぐりに連れて行っていただいた<これを期に足繁く唐津、伊万里、武雄方面に赴くことになるのだが>。 何箇所か周った後に武雄北部系葦の谷古窯に。 窯跡から外れた小川の際に落ちていたいた皮鯨の小皿。窯くず…

絵唐津壺@東京ビッグ・サイト

友人の骨董屋さんのお誘いを受けてビッグ・サイトに。全国からの骨董屋さんが集まったフェス<骨董ジャンボリーっていったかなぁ?>なのだが、こういったイヴェントは本当に久しぶり。老若男女、たくさんの人、人、人。 当然のように私の琴線に触れるお店<…