最初の筒。 それは小森谷、無地の端反りでカチンカチンに焼けた青唐津だった。 ボディに引っ付きが、また口辺に数カ所直しはあったけれど呼びは無く(偶然に所載ものだった)、 随分と楽しませてもらった。 以降、いくつかの小森谷がやってきてくれた。 先月…
骨董は出逢い。 そう、諸先輩方は言われる。 その出逢いを見逃すな,と。 確かにそうだ。 …で、今回も突然だった。 思いもよらず、拙宅に無地唐津の朝顔形(アサガオナリ)がやってきたのだ。 手持ちの感じ、呑みごこちやらなんやら、手元にきてから時間が経…
弥生に入った。 今日は春めいていて、花粉は厳しくも紫外線の強さやら、大きくなってきた桜のつぼみやら見るにつけ 春の訪れを実感できた。比較的暖かい冬であったから桜の開花も早くなるのかな、等と考えるだけで心地よくなる。 彼の地… そう、唐津は浜玉の…
旅先で体調を崩した。 久しぶりのフリーは散々なものに。 奮発した寿司がその要因のような…まぁ、どうにもこうにも貴重な経験を積んだ訳で。 そんなに丈夫な質ではないし、一瞬でも?がついたものは今後口にしない、というのが齢50を超えた僕の新たな教訓に…
「窯跡の発掘調査が行われるらしいですよ」と伊万里の師匠から連絡があった。 「新たな窯跡か!」と気持ちを昂らせネットをチェック。 …が、既にその存在が確認されていた「栗の木谷窯跡」が土地造成のために取り壊さねばならず、 そのための調査発掘、と判…
この週末は大規模な骨董イヴェントが行われているみたい。 けれども…目白コレクションでも人の圧に喰らってしまう自分。 興味はあるんだけど、どうにも出向く気がしない。 行ったら行ったで楽しいのだけれど…。 年が明けて2週間近くが経っている。 自然派ワ…
久しぶりに唐津に。 籍をおいている「古唐津交流研究会」の忘年会に参じるため。 改めて思いかえしてみると、訪唐は1年のご無沙汰だった。 ここでは何度も綴ってきているけれど、時間の経過が加速していることを改めて痛感した次第。 なんだかんだ言っても人…
本業の出張が佐賀市だった。 翌日がお休みであったので、ここぞとばかりに足をのばし長崎のM師匠のもとに参じた。 友人のM夫妻にもお声がけし、思案橋至近の、師匠がご懇意にされている鉄板焼き屋さんで只管、陶談にふけった。ここのところ随分とご無沙汰で…
ここのところ自然派ワインに懸想していて、とんと日本酒に縁がない。 ナチュールは美味しいし、日本酒ほど翌日ダメージが無いので。 そんなで佐賀出張時に買い求めた古伊万里前やら万齢が冷蔵庫の隅に…。 今日は久しぶりに一日オフ。 私事の懸案事項を一つ一…
基盤を住み慣れた世田谷の、自宅とは別な場に設けた。 九月からその準備に忙殺され、古陶での独酌は重ねつつも、骨董屋さん訪問はままならず。 神無月が終ろうとしている今、ようやく落ち着いた。 そうなると…むくむくと古陶への知識欲、蒐集欲が頭をもたげ…
"唐津数奇”をここまで全面に押し出してきた。 …けれど、最近気になるのは初期伊万里ばかり。 初期伊万里の伝世味は、古唐津のそれとはまた一線を画する良さがある。 トロみがたまらん。 しかもまだまだ暑い東京の独酌にピタリとはまる。 骨董屋さんで出会う…
しこたま呑んだ、この夏。 活躍したのは初期伊万里。 平盃であったり、八角盃であったり。 きりりと冷やした純米吟醸と磁器の相性の良さを再確認しながら、佐賀酒ばかりを楽しんだ。 …で、夏を引きずるように日曜だけれど今宵も独酌。 お酒は先週の佐賀出張…
「斑は難しい」 「斑は99%が贋物」 …こういった話を良く聞く。 ここんとこ、身の周りで贋物騒ぎが何件か連続しており。 影響力のある人が手に入れたものが、わかりやすい贋物であったり…売った人もわかっているか、いないのか、その辺は骨董業界の妙として…
拙宅にやってきた初期伊万里徳利。 勝見師匠の蔵品にガツンと喰らいながらも日々愉しく酒を汲んでいる。 容量は一合二酌、とくとくと注ぎ音も良いし、丸い形は手持ちが良い。 ただここ数日思う事が…。 徳利のサイズは高さ10.8センチ、胴径9センチ。 拙蔵の…
過日、勝見師匠に場を設けていただいた。 本当に久しぶり。 いつもの蕎麦屋で身のまわりのこととか、ファッションのことだとかをつらつらと語り合う。 勿論、骨董に関しても。 で、ここ数年、骨董話となるとやはり秦秀雄翁の話になる。 そんでもって翁の蒐集…
大兄と久しぶりに一献。 作陶家のTさんをフィーチャーし、陶談に花が咲いた。 卓上には持ち寄った無地の筒と斑の平盃。 そして無地唐津の片口が。 そう、この片口がいつも頭ん中にひっかかっていたのです。 「いや、なんとなく持って来ようかなぁ、と」と大…
本業の視察で波佐見へ。 一段落つき、昼食をとるタイミングで波佐見陶芸の館を覗いてみた。 二階が波佐見磁器の歴史資料をわかりやすく展示してあるときいていたので「ひょっとすると初源伊万里があるかなぁ」と期待しての訪問。 で…やっぱありました、盃の…
一力安子さんが鬼籍に入られた。 現代陶唐津焼復興に尽力し、また古唐津研究の先駆けとなった唐津の実業家、古館九一翁。 翁の三女として生を受けた安子さんは二人の兄達と共に翁のそばにあってその研究を助け、時に数奇者たちに可愛がられた。 http://www.y…
友人から滋賀・木之本の冨田酒造のお酒「七本槍」の純米を頂いた。 木之本は好きな宿場町でここ数年で三度程。 そのたんびに冨田酒造さんで七本槍をゲトってきた。 まぁ、好きなお酒なんです。 で、良きタイミングでワクワクしながら封をきった。 「?」だっ…
久しぶりに師匠とサシで一献。 あっちこっちに話題が飛ぶ雑談はここのところ多忙故にささくれ立った僕を解してくれた …で、宴の佳境で卓上に乗ったとくり。 一目で秦さん旧蔵としれた。 「日本のやきもの」第二集(1977年刊行)に掲載されているなんとも可愛…
何度も何度も。 古唐津やら初期伊万里やら、肥前陶磁に触れる事は僕自身の大切な”癒し”であると綴ってきた。 好きになってのめり込み、色んなものに、そして多くの人に出逢い今に至る。 お店やらなんやらで、道を同じくする方々に知己を得る事となる。 価値…
2018年になった、と思ったらあっという間の如月半ば。 なんども書いているが時間の経過が加速度を増しているな。 日々丁寧に過ごして行きたいものですね。 さてさてそんな事を考えている矢先、長崎の師匠がブログを更新されていた。 師匠とはこのブログを通…
もう十年にもなろうか、西荻の和食屋「S」に通い出して。 頻繁に訪れていたわけでもない…が、気取り無く、美味しいものを食べさせてくれる、 僕にとってかけがえのないお店。 そんなSが閉店する、という報に接した。 僕なんぞ足下に及ばぬペースで大兄はここ…
過日、古唐津数奇の宴があった。 僕が属する研究会の、東京支部新年会。 「お気に入りの盃を一つ、持参で~」という括りの元に参集した面々。 はじめは周りを気にしつつそろそろと、酔いがまわって大胆にど~ん、とw、おのおのが盃をとりだして、酌みつ酌ま…
今年もあと二日。 嬉しい事に多忙な日々を過ごし、まさに光陰矢の如しの一年でありました。 前回にも記した通り、骨董にじっくりと向かいあうこと叶わず、刹那に手元にある酒器に癒され、ここまで来た感じ。 もう少しで、2018年。 それにしても今年は…サラリ…
忘年会ラッシュが終った。 …というか、2017年の仕事を納めました。 本業でバタバタ、出張三昧…骨董に、古唐津になかなか向かい合えない一年だった。 一方、初源伊万里に関しては「目の眼」誌連載にて自分なりの「肉薄」が出来た、ような。 そんなことをつら…
過日、古陶数奇、否、古唐津数奇が集う忘年会に参じた。 2007年以来、の参加…あの日のことはつい昨日の事のように覚えている(窯跡巡りの後だった)。 光陰矢の如しとはこのこと、と再確認。 宴はジャック・マイヨールが懇意にしていたおすし屋さん。 柱にサ…
初源伊万里。 日本の磁器、その創成期のやきもの。 昨年末に勝見師匠と有田を取材旅行し、井藤社長に乞うて「目の眼」誌での短期連載がスタートしたのがこの六月。あっという間の一年でした。取材に関わってから古唐津をはじめとするモノへの接し方も変わり……
先週末、親しき陶友が来京。 ひがな古陶話に飢えている。そこへ価値観を同じくする友が…となれば是が非でもスケジュールを調整するのが男の、否、古陶数奇の流儀なりw。 氏曰く…最近遠ざかっている刷毛目盃をかわいそうだ、と購入したお店で引き取ってもらお…
久しぶりに懇意の骨董屋に顔を出した。 ディスプレイには良い感じにひしゃげた伝世茶碗から、発掘の手の大きな市ノ瀬の片口やら ちょいちょい古唐津が。 一頻りの商品チェックと当たり障りの無い世間話後に「何か見せてよ」と問う…いつもこんな感じだ。 大概…