とくり、のこと
過日、古唐津数奇の宴があった。
僕が属する研究会の、東京支部新年会。
「お気に入りの盃を一つ、持参で~」という括りの元に参集した面々。
はじめは周りを気にしつつそろそろと、酔いがまわって大胆にど~ん、とw、おのおのが盃をとりだして、酌みつ酌まれつ、差しつ差されつ…そりゃもう、たのしく。
遡る事乾杯から5時間。
価値観を同じくする陶友から「斑を持ってきて」というリクエストが。
だったら!と「先だって購入した徳利をみせて」とやりかえす。
彼との古陶に向き合うスタンスははスリリングなくらい似かよっている。
故に期待度150%超え。
満を持して座に出でたものは、まぁ、それは可愛らしい、一合五酌とナイスな堅手でありました。
ふっくらと豊かな手持ち。
無傷で釉調よく、もちろん油臭無し。
口もそこそこの大きさで良い注ぎ音がきけそう。
悔しいながら「良いなぁ」と思わず口から出てしまう。
隣席のマイメン骨董商が「これは健康的ですね~」と被せてきて、僕の”叶わぬ蒐集心”を掻立てる。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mstmrtrsp/20010101/20010101012620.jpg)
流石!
一方…その時氏は拙蔵の盃を只管に弄くっていた。
やはりいいなぁ、こういうの。
しがらみも無く、好き=数奇の一点で共有出来る世界。
こんな時間があるからやめられないんだよね。