古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

古唐津

斑唐津の、二度窯

先日、手持ちの小皿を友人に買いとってもらった際に話題にのぼったのが、「斑唐津の二度窯」。 発掘もんをもう一回窯で焼いてしまったら相当な目利きでも見破る事が出来ない、って話し。 その話しはご当地・唐津や伊万里でも何度か聞いたことがある。 斑は大…

衝動

時折やってくる衝動。 買ったはいいものの、使わずに仕舞い込まれている古陶たちへの「申し訳ない」という想い。 「いいなぁ」と思って購入。でも…手持ちの酒器との色目やら、大きさやらが合わなくて一回こっきり使わない…手元に数点、そういうモノがある。 …

古唐津の親水性

この場で何度も宣っている。 ”古唐津に取り憑かれている”、と。 僕にとっての魅力は多岐にわたる、がその第一に親水性があげられる。 朝鮮半島由来の製法=磁器を作らん、として図らずして派生した古唐津。 堅牢でありながらその親水性から著しい経年変化が…

沓茶碗

友人にお茶碗を見せてもらった。 沓茶碗。 「沓」、文字通りの形。窯中トラブルで変形したものではない、明らかに作為的に成形されたもの。 伝世で口辺に一箇所の共継ぎ。形もそうだが釉調が素晴らしい。写真で表現出来ていないのが残念だが全体的に深い黒色…

週末に色々思う事

友人と呑んだ(←骨董屋さんではない)。 早い時間から酌み交わす贅沢、かつ有意義な時間だった。 この日は持ち込みの初期伊万里。 その帰路、酒席の話題を引き摺りつつ、つらつら考えた。 売値。 そりゃ色々あって当然。格やキャラやらがあるにせよ、買い手…

竹花正弘氏 個展@初の、東京

先週末、竹花さんの初の東京個展に行って来た(正確には数年前に世田谷の経堂でセルフ・プロデュースの個展を行っている)。東京、初めてだったんですね~。出身地なのに。 …で、場所は僕も本業でよく使わせていただいているセルリアンタワー東急ホテルにあ…

山瀬の釉調

古唐津数奇は皆、”山瀬は特異な窯”、と言う。 その土味は”所謂古唐津”とは一線を画しているし、「なんであんなところに窯を築いたんだろう?」って誰もが思う高所に窯は築かれていた。 そんな古窯発掘の小皿が手元にやってきた(山瀬ははじめて!)。 径13セ…

古那甲の辻、のこと

この週末は本業の出張で唐津行きから一週間を経ずして九州へ。 肥後と肥前の二人のお師匠にお会いし、それぞれの場でなかなかお目に出来ない古陶に触れる事に。特に今回は所謂”所載”もの5点に接する事が出来た~やはりそういうもの達は器自体が発する”気”、…

小十冠者古窯の絵唐津陶片

唐津市にあって、平戸系と同じく、李朝直系の色合いの濃い小十冠者古窯。 http://blogs.yahoo.co.jp/mstmrtrsp/33871693.html ←訪問記はこちら! 先だっての唐津行きの際、お師匠宅でその古窯発掘の「絵唐津」陶片をみせていただいた。 何度も現地に行った。…

久方ぶりの、唐津

昨年9月以来の唐津行き。 たまたまですが2003年5月3日に、はじめて唐津を訪れてからまる9年経った、4日に現地入り。 薫風舞う唐津は本当に素晴らしかった。 虹ノ松原の木漏れ日、唐津湾の潮の香り、そして背振山系から続く唐津を取り巻く山々の緑。 心身…

大皿、のことなど

年配の、古陶数寄の方とのお話し。 氏にとって”古唐津”とは松浦系であり、なんと言っても甕屋の谷古窯の大皿が琴線に触れる、との事。その延長で「甕屋の谷ってもてはやされ過ぎちゃって、一種のブランドになってるよね。市場にある絵唐津大皿や鉢の大半が椎…

鉄釉の小皿

松本滞在二日目。 「昼過ぎから雨」との予報だったので早めに行動開始。 東京ではもう終ってしまっている桜が彼の地ではちょうど満開。本当に美しかった。 街をうろうろしつつ、安土桃山時代の香り濃厚に漂う松本城へ。 人がメチャクチャ多かったけど、良い…

突然、の松本

故あって、信州・松本に。 同行人の都合もあり、大好きな居酒屋探訪も侭ならず。 …なんで自室で地酒をやってます。 この頃、自分の盃じゃないと土地の酒を心底楽しめなくなっている(←異常)。 佐賀県武雄市出身のこの盃。 初めての長野、です。 Billy Ocean…

伝世の強さ

強いもの、だった。 使い込まれ、かつ愛された器。茶人に拾われるまで酷使されたんだろう。 奇跡的に傷の一つもない。摩耗しつつも強さを残している高台。 絶妙な釉薬の溶け具合。勿論焼成は酸化炎。 そして~ なんといっても手に心地よいフォルム。 400年の…

吉野靖義氏個展

週末、吉野靖義さんの個展に顔を出した。 僕が現代陶・唐津焼から古陶・唐津焼(古唐津)にその関心が移るきっかけになった作陶家。 昨年は震災もあり、個展に伺えなかったので期待に胸を膨らませて渋谷・炎色野さんを訪店。 あっと驚く「絵唐津」(頁岩使用…

蛇蝎唐津

いつものように「ろくな唐津はないよ」と懇意の骨董屋さん。 「こんなものばかり」と机上にひろげられたものの中に、それはあった。 …「グッ」ときた。 肌理の細かい素地に灰釉、その上に鉄釉、更に透明釉(長石釉?)がかかった飯茶碗。紛れもない古作でち…

岸岳系 平松古窯

ひさしぶりに土日が休みの週末。 時間がある…それはそれで過ごし方に戸惑ってしまう。 前夜しこたま呑んだに関わらず貧乏性の早起き。 街は午前9時を過ぎても静かで、なんだか凄く豊かな気持ちになる。 暇つぶしもかねて、いつものようにストックルームから…

平戸系片口の、高台

大学の、先輩の蔵品・平戸系片口に接した。 例の、堅手並みに青みがかった釉薬&カチンカチンの還元炎焼成、へたれもの。 窯内でひしゃげてしまい、物原に捨てられた。 ただ良い焼成加減で痛々しいながらも妙に親しみが持てるものだった …何故、心をひかれた…

写真整理

PCの仕事データをHDに移す作業の一環で写真データをチェック。 完全に忘れていた2、3年前の古唐津関連がぞくぞく出て来た。 で、… 「引っ越し時の古雑誌読み耽り」状態に。 窯跡にしろ、陶片にしろ、「今の自分だったら、こう撮るのになぁ」というもの多々…

南海の陶片

レコーディングで沖縄に出張。 帰京前に時間が出来たのでぶらぶらと牧志近辺を散歩。 で、「やちむん通り」に。 その入り口にある古美術店の軒先に「城跡からでました」と書いてある陶片やら磁片やらが 売られていた。 中国だったり、安南だったり。 その中…

糸島から、の世田谷で一献

昨夜は結構のんだ。 お仕事で「鍋島」、ホテルでの延長戦で「万齢」。 そういえば… 食に関して、”例のストレス=放射能”、がここにはない。久しぶりにゆったりとしたキモチで食事を楽しむことができた。玄界灘のお魚、糸島のお野菜は本当に美味しい。 福岡市…

唐津街道

仕事で福岡。 以前にも同じようなことを書いた。 ここから数十キロ先に唐津があるがままならない。 いつものホテル。 なんでここまで好きなんだろうなぁ、と自問自答。 明日は糸島。 そんなことを思いつつ、師から頂戴した、この旅盃でやってます。 Neo あま…

梶原さんと藤の川内

週末、仕事が予想以上に早く終ったので渋谷・黒田陶苑さんで開催されている梶原靖元さんの個展「新しい古唐津」に顔を出した。 白飯洞、斑、いずれも古唐津の完全なる復元(陶土の精製から全てにおいて)とそこに新たなる梶原ワールドを表現する技に改めて驚…

沓茶碗、というもの

大学の先輩がお茶を立ててくださった。 茶碗は松浦系の絵唐津沓茶碗。 かちんかちんの還元炎焼成で、奔放な鉄絵が赤褐に発色している。釉調と絵の、そのコントラストが実に美しい。高台は二重、土味は道園にちょい鉄分が多くなった感じ(カメヤ、かなぁ?)…

転換期

2011年、古唐津、初期伊万里、李朝、織部と好きで集めた古陶を「必要最小限に削ぎ落として」きた。 使わないものは手元におかない。 だから僕の好きな物はそれなりにタイトかな、と思っていた。 さらに~ ここ数日、年末に買った徳利やら、私事の算段やらで…

2012年

大晦日にイヴェントがなかったので、例年と比較するとゆったりとした年末・年初を過ごしています。 改めて… 新年明けまして御目出度うございます。今年も勝手な事をつらつらと書いて参りますが拙ブログを なにとぞ宜しくお願い致します。 本日は昨年末に知己…

訃報 中川自然坊さん

昨日未明(12/13)にお亡くなりになられたそうです。 故人の冥福を心よりお祈り申し上げます。 大病を克服され、これから、という時に。 2003年にはじめて玄海町の陶房を訪れた時の印象が忘れられません。 ご本人にいただいた朝鮮唐津の盃、今後も大切…

佐賀のお酒

今、好きな日本酒でいうと「鍋島」か、「七田」か、はたまた「万齢」か。 結局佐賀のお酒になってしまう。まぁ、いろんなことがエッセンスになってより美味しく感じるんだろうけど。 拙宅近所でそれらのお酒はなかなか手に入らない。 で、「大七」やら「木戸…

どうにも、こうにも

色んな事が進行中。キチリと整理しつつ進めているつもり、だが細部に目が行き届かぬ事も多々。日々学び、前進。そろそろしっかり休みをとりたいけれどどうにもならず、ただ成功を信じて歩いている。 今週は某出版社古陶数寄O氏プロデュースの酒宴で一息。 池…

陶友との語らい

久方ぶりに在九州の友人と会った。関東で会ったのはこれが初めて(←それ以外は大方唐津や伊万里)。 只管に古陶談義。最近買ったあの茶碗、このお皿~続く続く…。 宴も半ばに「お土産です」と出されたのが”もみじ”。本当に嬉しい心遣い。深く感動…。 はらり…