古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

山瀬の釉調

唐津数奇は皆、”山瀬は特異な窯”、と言う。
その土味は”所謂古唐津”とは一線を画しているし、「なんであんなところに窯を築いたんだろう?」って誰もが思う高所に窯は築かれていた。

そんな古窯発掘の小皿が手元にやってきた(山瀬ははじめて!)。

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径13センチ弱、端反り。見込みは還元炎焼成で素地が透けて見える。斑、っぽさは全くない。なんか普通の無地唐津みたい。裏を返すと白濁釉が厚い。




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釉薬は完全に溶けきっている。が、白濁釉というよりピンク色を呈している。




…そう、山瀬産の斑には”ピンクがかったやつ”が数多く見受けられる(黄色っぽいのもよくあるけれど)。岸岳系には時折見られるが山瀬の比ではない。

ピンク色になるのには焼成プロセスに何かがあるのか?

そこで古陶数寄の諸先輩方に意見を乞う。「確信はないが酸化炎焼成」とお答えいただく方が何名か。
一方在唐津の作陶家さんは「こないだ話題になりましたよ。僕は還元炎焼成だと思います。焼成後の冷却時間が短いもの程ピンク色になる比率が高いかも。何度かトライしてそのたんびにピンクになったよ。」とおっしゃる。この辺、本業の方々の間でも解明すべき事象らしい。

結局のところ、どうなんでしょうねぇ~?
なーんて色々考えたりすんのが古陶の、いや古唐津数寄の楽しいところですね。