古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

岸岳系 平松古窯

ひさしぶりに土日が休みの週末。

時間がある…それはそれで過ごし方に戸惑ってしまう。
前夜しこたま呑んだに関わらず貧乏性の早起き。
街は午前9時を過ぎても静かで、なんだか凄く豊かな気持ちになる。

暇つぶしもかねて、いつものようにストックルームから陶片を取り出して想いを巡らす。

そこでひっかかったのが岸岳系平松古窯の陶片。

1年の大半、池に水没しているがゆえ古唐津数奇の間でも話題にのぼらない窯、である。ものの本では焼成された陶器は大方が土灰釉のみ、なんて書かれ方をしている。

もう7年前になるが、2005年早春に彼の古窯を訪れた。

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幸い、池が渇水のタイミングで窯跡に辿り着く事が出来た。ひどいブッシュだったが窯体の上部、またその左側に細かな陶片が散らばっているのを視認出来た。大半が<斑唐津>。土灰ばかり、と思い込んでいたので驚いた。


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右下の陶片以外は斑唐津。波縁の斑皮鯨も!





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窯跡から道納屋古窯方面を臨む。





きちんと発掘調査されている古窯である。
また水没しているがいえ、近年は盗掘もされていないようだ。

原料となる砂岩は道納屋、大谷等の同じ層からとられている。
茶陶は焼いていない、とこれもまた多数の書籍にみられるが…。
より掘り下げて行ったらもっと面白い事が見つかるかも。

もっと注目されて然るべき窯だと思うんだけど。

Boz Scaggs "LOWDOWN"