竹花正弘氏 個展@初の、東京
先週末、竹花さんの初の東京個展に行って来た(正確には数年前に世田谷の経堂でセルフ・プロデュースの個展を行っている)。東京、初めてだったんですね~。出身地なのに。
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彼の作品をこうしたきちっ、としたフォーマットで拝見するのは東日本大震災直前の、2011年春以来(@千葉県流山おおたかの森)。前回の記事はこちら→ http://blogs.yahoo.co.jp/mstmrtrsp/34317919.html
なんというか、以前にも増して媚びがない、というか強いと言うか。古唐津のなんたるかを理解し、そこに自己の解釈を加えた言わば”竹花スタイル”が鮮やかに開花していた。何度も書いて来たがその「ものを理解して造る」、のと、「単なる模倣」とでは出来上がったそのモノのもつ空気は明らかに違う。彼のものは前者。しかも、作品全般にきらめくキャッチーさはやきもの数奇以外をも惹き付ける。
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特に斑は素晴らしかった。
その旨を率直に伝えると「これが出来たときに”やった、これで斑は見えた”、って思ったんです。で、次の窯で自信満々取り組んだら全くダメで。いや~やられました」と苦笑する氏。結論としては氏が言うようにその製法を掴めた訳ではないのかもしれない。が、一つ上のステージに上がったことは間違いない。と、いうかそんな事を率直に口にする感じが氏の人柄が何とも好ましいではないか!
それ以外に僕を惹き付けたのは、酒器類の中でも徳利。特に形、が良いのだ。朝鮮半島とも古唐津とも形容しがたい。が、いずれにもつ通ずるあたたかさがあり、なんとも良い手取り。これは酒を呼ぶだろうなぁ、と。それに売約済みの片口、黒唐津の盃、この二つはマジで欲しかった。う~ん、先だっての目白同様、こういった催しの場合、早く参じねばならないなぁ。
夜にはエグゼクティヴを交えての一献。
今まで陶談のおりに垣間見えた氏の”頑固さ”が、モノの本質を掴んだがゆえか、ほんの少し軟らかくなったような…。今後、現代陶唐津焼・次世代を牽引する一方の旗頭(もう一方は矢野氏なんだろうなぁ)として様々な意見、反応が彼に浴びせられるだろう。けれどその度にそれらを糧に前進、進化していくに違いない。
繊細でありつつも強さを兼ね備えた氏の次なるトライが楽しみだ。
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初夏ですが燗、つけちゃいました。
やっぱり日本酒は燗だなぁ。
If It Is Love feat. Clara Hill