古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

2008-01-01から1年間の記事一覧

平盃

別冊太陽”古唐津”に掲載されたコラムのおかげか?口径の小さめな古唐津の小皿を「平盃」と皆が称しているようだ。ネット・オークションなんかでは大抵それを「じゅうぶんに盃としてお使いになれます。育ててあげてください」などどこそばゆいキャプションが…

眉山と山盃

出張から帰京後、久しぶりにDVDを観た。「眉山」という映画。なかなかだった。要所要所で涙、涙、涙。 そういえば2003年末、その舞台である徳島市に出張した。で、彼の地の骨董屋さんで初めて古唐津を買ったんだっけ。このブログにもたびたび登場してい…

福岡

本業の出張で福岡に来ている。旧名”唐津街道”を前にしたホテルN.O.が一夜の宿。昼間は糸島のSunsetへ打ち合わせ。20キロを隔てて虹ノ松原、唐津城、そして高島がかすかに臨まれる。 嗚呼、唐津に行きたい。窯跡めぐりなどせずとも、唐津市に足を踏み入れた…

呼ぶ、ということ

先週末、信頼する気鋭の若手骨董屋さんと呑んだ。相変わらず勉強熱心で刺激されまくる。こちらは古唐津ほぼ一本、が彼は手広く、しかもそれぞれを深く追求するその姿勢に圧倒される<骨董を生業としている人にかなう訳などないのだが・・・>。 その夜は彼に…

猛省と前進

前回のブログで書いた片口の件。それについてutw*yさんからアドヴァイスをいただいた。こちらで「平戸南部系」と踏んだのだが「武雄北部系」であった、という事実。ご本人にお話をお聞きすると前・所有者はご友人であり、その方が相当前に武雄系川古窯の谷下…

片口数寄

「欲しい、欲しい」と思う時に、なかなか思い描く物には出会えない。例えば長年探している斑の筒、とか。「ふっ」とした出会い頭にドンピシャな奴に出会ったりするんですかねぇ? 今週頭、昼休みに懇意の骨董屋さんに電話をすると「古唐津なら呼続のある、小…

プレ高台部会

確かあれは3年ぐらい前に唐津の作家、梶原靖元氏に市ノ瀬高麗神古窯を案内してもらった時の出来事。 丁度盗掘にあったばかりの窯跡はそこかしこに陶片が散らばっていた。そんな数多の中から「ああ、奥高麗っぽいなぁ」と氏がつぶやきながら手に取ったものが…

贋物

昨夜はスタジオ作業だったので、空き時間にヤフオクを覗いてみた。 すると以前にここで書いた「玄人狙いの贋物」が出品されている。2年ぐらい前にこの出品者から買って返品したこともある。そのときは出品中に「小溝上窯」とご丁寧の窯の名前まで記され、掲…

もっとでかい片口

以前にも書いたことですが、片口にひときわ愛着を感じる。指先にのる、径4センチぐらいのもの<機織器なんかの油さしに使っていたんでしょうか?>から径20センチを超える大きなものまで。需要も相当あったんだろう。 桃山、江戸初期の都市遺構からも数多…

でかすぎ片口

4月末に師と仰ぐ蒐集家から古唐津<無地>の片口を買った。30年ぐらい前に”掘り屋”さんが松浦系・阿房古窯で発掘したもの、らしい。 購入するや否や、修理屋さんに出してようやくあがってきた。 めちゃくちゃ安かった。というのもでかいから。径が大きい…

朝鮮唐津

藤ノ川内古窯に行った回数、どのくらいだろう。行く度に地主さんが飼っている犬に吼えらて、周辺民家の皆さんにおことわりをいれつつも盗掘者に見られないか?、びくびくしながら窯跡をそぞろ歩く。52メートルを超える登り窯、その傾斜は相当なものだ。 綺…

奥高麗

先週末は出張。 ほんの少し時間を拵えて、約2年ぶりに懇意の骨董屋さんを訪ねた。大店だけど、買い物もしないのになんだか気に入ってもらって、いろいろと教えていただいている<時々は買ってもらったり>。 お店に入ると早速古唐津を色々と見せてくれる。 …

杉箱

ここ数年で蒐集した器もろもろ。箱のないものも多かった。で、ボーナスを見込んで一ヶ月ほど前に”古唐津と相性が良い”と言われている杉箱を箱職人さんにオーダーした。 片口、ぐい呑み、そして向付を数点。 組み箱で杉の古材、真田紐は絹袋といった仕様・・…

斑唐津について~3

ここのところ、"超”のつく多忙で、古唐津に想いを馳せながらもどうにもならない日々が続いている。今日はスタジオ作業やライヴ等がないため、休日出勤をして溜まっていた経費の精算。電話のならない、人気のないオフィスで一人PCに向かうというのは嫌いじ…

お詫び

先日、PCを弄っている最中にせっかく書いていただいたコメントを消去してしまいました。興味深いものであったので力入れてレスを書いていた矢先に・・・。 「斑、薩摩仕掛人説」を唱えられていた方には、本当に申し訳ないことをしました。 この場を借りまし…

斑唐津について~2

斑、といっても色々。 ステレオ・タイプのランク付けだと、上位は帆柱~更屋~道納屋~山瀬~藤の川内~大川原=櫨の谷<ほとんどないが・・・>と言った感じか<阿房谷、大谷はこの際抜かします>。 大川原古窯の、還元炎焼成の斑はほとんど土灰釉のような…

斑唐津について

斑の筒を見せていただいてから、この一週間、そればかりを考えている。 そんな中、足を運んだ骨董屋さんで一頻り”斑談義”で盛り上がる。で、「どうして伝世品がほんの少ししかないのか?」というトピックでヒート・アップ! 確かに斑の伝世は無地や絵唐津と…

骨董について

昨日、本業の空き時間に以前より伺いたかった骨董屋さんに顔を出した。 こちらが古唐津好き、ということがわかると親切、丁寧に商品をご紹介いただき、色々なお話しをしてくださった。唐津市ご出身の店主のお話は「掘り師」なるののが存在していたおおらかな…

斑唐津酒盃

先日、最近知り合った方から斑唐津の筒盃を見せていただいた。 発掘の手ではあるが大振りで、釉調がすこぶる良い。見込みも綺麗で酒を注いだ景色はさぞかし美しかろう、と容易に想像できた。聞くところによると某骨董誌の所載品、らしい。なかなかの品だ。 …

骨董市とネット・オークション

ここ数年、骨董市から足が遠のいている。と、いうのは市そのものに魅力を感じなくなったのと、ヤフオクをはじめとするネット・オークションのほうが遥かに安価で面白い買い物ができるからだ。 親しくお付き合いさせていただいている数軒の骨董屋さんや蒐集家…

現代陶・唐津

古唐津が好きで、財布と睨めっこをしながら細々と蒐集している。ただ、古陶ばかりに執着しているわけではない。 「温故知新」という言葉がある。 これをきちんと実践している唐津周辺の作家さんの作品には手が出てしまう。在唐津周辺ということに限ると飯洞…

”兄弟”盃

敬愛する蒐集家宅にお邪魔した、伝世の盃を携えて。と、いうのはそれの出身地?というか造られた窯を特定して欲しかったから。いままでは「権現谷」、とか「原明」とか色々言われてきた盃。 師の言は以下の通り。「見たことあるんだけどなぁ、思い起こせない…

片口の”注ぎ口”。

先日の古窯巡りの際に、柳の元古窯の地主さんに陶片を何片かいただいた。その中になんだか見覚えのあるものがあった。 小さな片口の、注ぎ口の陶片がそれ。4年前ぐらいに大枚叩いた無地唐津片口の注ぎ口にそっくり、だったのだ。 陶片は何も語らない。 高台…

変なもの。

先日の古窯巡りの際に同行者のリクエストで川古窯の谷下古窯に赴いた。 その際、物原に奇妙なものが! とりあえずの推定として、乳鉢用のすりこぎの頭部?<この表現も微妙ですが>。穴にこの寸法にあった木の棒を差し込んで、薬草を摺る・・・。 立ちグイっ…

3ヶ月ぶりの古窯巡り。

毎年、この時期に唐津に行っている。自身の休養のため。約3ヵ月ぶり。 ほぼ2日フルで古窯を巡ることにした。今回の”自分的”目玉は平戸南部系。牛石、 葭の元、柳の元の諸古窯。ここ数ヶ月で色々とリンクした古陶が、ほぼその辺りの産らしいことをどうにも…

贋物

久しぶりにヤフーオークションの「唐津」をのぞいた。大方こういう時に面白いものに出会えたりする。 すると「平戸系 青唐津云々」と題を打たれたものが数点目に飛び込んできた。”よくできて”いる。普通の骨董屋さんなら「小森谷の掘りの手ですよ」、などと…

片口

「古唐津の中で一番何が好きか?」と聞かれれば「酒器です」と答え、さらに「その中で一番は?」と言われれば「片口です」ときっぱり。まぁ、片口を酒器に分類してしまうのは乱暴だけど・・・。 どこの古窯跡でも片口の陶片を見かける、ってかこれほど片口が…

昼酒

不意に仕事のアポがとんで、夜の仕事まで時間が空いてしまった。 DVDでも借りるか、骨董屋さんにでも顔を出そうか、などどいろいろと考えた末に「昼からちょこっと呑んでやろう」ということに。 会寧の片口に常温の”大吉生もと”を注ぐ。で、今日の酒器は…

小溝上古窯<平戸北部系古唐津>

敬愛する蒐集家の先輩から「小溝って窯はなかなか捨てたものじゃないよ。まるで奥高麗みたいな、小ぶりで形のよい茶碗を作っていたんだよね」というお話を聞いた。伝世向付のお話を聞いた時の、その延長線で。 以前に「平戸北部系の古窯にある陶片の高台はそ…

伝世向付

前述の「無地唐津徳利」を受け取った際に、「こんなものもあります」といって見せてもらった向付。 これと同じものをみたことがあるので”!”と思ったんですが、異なるもので。 同じ組からの「離れ」だったみたいです。 以前見たものは京都の柳孝氏の元にあっ…