古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

嵐の後

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ここ数日の東京は本当にへんてこな天気。

ニュースでもよく採り上げられているけど、雨の量がまじでハンパない。バケツをひっくり返したような、という形容がどんぴしゃな土砂降り。前触れもなく降り出して、それが一夜続く。昼になると晴れ間ものぞく、が気温上昇によって温められた地表から水蒸気が天に戻り、大気の不安定な状態をさらに刺激し豪雨となる、そんな繰り返し。温暖化の影響なんだろう。素人の私でも地球が悪い方向に進んでいるのが解る。

普段水量がほとんどない、渋谷川や目黒川が橋の欄干に”あと少し”な増水状態になっていたのには若干の恐怖を覚えた。

それで、というわけではないけれど昔、掘り屋さんに聞いた話。

唐津の古窯跡には必ず小川がある。陶器を製作するその工程に水が必要だから。多分にもれず、こういった川も台風などによる大雨があるといつもの数倍の水量になる。上流からの土石や倒木も含め、いろいろなものが流れてきて、川の両岸を削っていく。都会の河川と違って、なんの対策も施していないからなすがまま、である。時として地形が変わることもあるだろう。土砂崩れももちろんあったり、で。

窯を真ん中とすると、大抵川はその左右にあって、物原もいずれかの斜面に形成される。400年以上の年月を経てきているから当時の表土は現在のそれから1~2メートルも下にある。だが大雨さえあれば、掘る必要もなく当時の表土や遺棄された失敗品や欠片が山と積まれた物原が顔を出すことがある。

そんな訳で掘り屋さんたちは大雨の翌日はこぞって窯跡の小川周りを丹念に見て歩いたらしい。帆柱や山瀬下窯も大雨で土砂崩れがあったときに、いろいろなものが相当でたらしい。

佐賀県も相当降ったみたい。明日、明後日、窯跡ではなく、その周りの川周辺をうろうろする人、結構いるんだろうなぁ。

写真は帆柱古窯跡。盗掘防止の為に地元ヴォランティアがきめ細かいパトロールを行っている。