古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

もっとでかい片口

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以前にも書いたことですが、片口にひときわ愛着を感じる。指先にのる、径4センチぐらいのもの<機織器なんかの油さしに使っていたんでしょうか?>から径20センチを超える大きなものまで。需要も相当あったんだろう。

桃山、江戸初期の都市遺構からも数多く出土している片口。そういえば豊臣氏時代の大阪城遺構から出た絵唐津片口を見たことがあったな。明らかに平戸南部系とわかるそれは、大阪落城時の火災にあい片面が焼け焦げていた。「秀頼健在時に城中の生活で使われていたのか・・・」などと想いをはせたり。

で、写真のもの。

蒐集家から譲っていただいた無地唐津市ノ瀬高麗神の掘りの手、らしい。径は19センチ、高さも11センチあります。見込みの釉調はナイス、だけど外側には土錆と窯くずを取った跡が何箇所かある。でかすぎて実用には向きませんな。

何の衒いもない、雑器然とした形と佇まい。それが、僕には可愛らしく思えて仕方がない。