古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

小溝上古窯<平戸北部系古唐津>

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敬愛する蒐集家の先輩から「小溝って窯はなかなか捨てたものじゃないよ。まるで奥高麗みたいな、小ぶりで形のよい茶碗を作っていたんだよね」というお話を聞いた。伝世向付のお話を聞いた時の、その延長線で。

以前に「平戸北部系の古窯にある陶片の高台はその削りといい、高さといいイケてる」と書いたことがある。改めて陶片を取り出して、じっくりチェック。

1998年に刊行された有田町教育委員会の手による「有田の古窯」という発掘調査報告書がある。それによると、小溝上古窯には5つの登り窯があったよう。1,2,3号窯がメインで陶器、4,5号窯が磁器をそれぞれ焼いていたようだ<物原上を横切る道路を背に左から1~5の窯跡があるわけだが、確かに右側の4,5号窯周辺には初期伊万里が散らばっていた>。

土灰釉、鉄釉、土灰長石、いずれの陶片も捨てがたい味がある。昔は完品に近いのも、ごろごろ転がっていたんだろうなぁ・・・。埋蔵文化財保護法のなかった時代にタイムスリップ、できたらなぁ・・・<笑>。

写真は小溝上古窯の陶片。土灰、鉄、そして初期伊万里などなど。