逃した魚はデカイ
こぎれいな雑貨店のような都内のお店。「骨董ジャンボリー」の時に様々な木地盆を揃えておられたのが印象的で足を向けた。
良い感じの木地盆をゲットして、支払いの際に「古唐津が好きなんですがなにかありませんか?」とたずねてみる。ちょっとした間を経て「午前中に古唐津片口が売れてね。小ぶりな独酌にむくタイプってのかなぁ。よくあるでしょ、大きいの。それとは違う小さなやつ。おまけに共の直しはあったけど伝世でね」とご主人。
「!」、それを遮る様に「えっ、どんなやつですか?無地?枇杷色?径は?」とたたみ掛ける私。するとご主人はゆっくりと「無地でいい感じだったよ、残念だったね」・・・。「いくらで売ったんですか?」という言葉が喉元まできていたけれど寸前で呑み込んだ。
まぁ、こんな事もあるよね。
あれから一週間弱経ったけど、売れちゃった片口は僕の脳内でより魅力的なモノに”育って”います。
「逃した魚はデカイ」ってまさにこれ、ですな。
*写真は本文と関係のない拙蔵の片口<左~川古窯の谷下古窯、右~阿房谷古窯発掘>