古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

麗しの、伝世盃

打ち合わせでその日は終わり、と踏んでいた。
が、彼(友人の編集者)はその後に「呑む」つもりだったよう。
軽く誘われて、仕事場から至近の居酒屋へ。

ビールで乾杯。軽い世間話の後に「てっきり持ってこられる、と思ったのでこちらも、と用意していたんです」と氏は鞄をごそごそ。「僕は平盃が好きだって以前から言ってましたよね。覚えておられますか?でね、ようやくいいなと思える唐津に出逢えたんです」。

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若干の緊張感のある空気が流れた後に出て来たものは…
なんとも麗しい唐津だった!









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立縁は柔らかに端反る。







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使い込まれた高台、酒を吸いまくった見込み…。
径は9センチを切る。
古格が品良く漂う、小振りの可愛らしい形。
馬盥、いや、平盃、と言うべきか?








以前、拙ブログでもK先輩の同系統の盃を紹介したが、それよりひとまわりもふたまわりも小さい。
土味はそれ=(道園)に酷似している。

師匠の斑の筒以外で、ここまで琴線に触れる盃はない。
嗚呼、凄すぎ…。




宴はその後も続いた。
が、僕は上の空で只管その平盃で酌を繰り返していた。
今もその盃の感覚が脳内ループしている。
あるところにはあるんですねぇ。
それにしてもいいなぁ、いいなぁ、Iさん!