古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

「目の眼」の反響

「目の眼」が発売され、予想以上の反響が様々な方々から寄せられました。

大まかに分けると「良い特集だった」というのもの80%と「贋物ばかりじゃないか」というもの20%といった具合。「贋物」という言葉に敏感に反応してしまうのだが、送り手である私自身も今後参考にすべきアドヴァイスが多々ありました。本当に嬉しい限り、皆様に感謝しております!

~で、省みるべき点を明記しておきます。
*読者は送り手の持つ情報量とは比較にならない少量の情報で真贋を判断する、そういった事をきちんと把握した上でモノを掲載すべきであった、ということ。

*私自身もそうだが古唐津、というか古美術を趣向する方々はまず「贋物であるか、否か」を念頭に本を読む<この場合「目の眼」>ということにもっと留意すべきだった、ということ。諸先輩方が著された古唐津に関する書物も写真だけで判断すれば(?)なものも多々ある事がそれを証明している。

*写真<古唐津の場合、高台はマストで掲載>、また撮影時のライティングと実物と写真の差異を事細かにチェックすべきであり、掲載すべき点は明記すべきであった、ということ。今回は撮影時の悪状況がまま写真に出ている箇所があり、それを事前に調べ、回避する方策を取るべきであった事。例えば実物の斑は素晴らしい色であったのに、それが写真で再現できていない点<白濁釉・藁灰釉が茶色っぽくなっている>等々。

*寸法も細かく明記すべきであった、ということ。
等々…。

  今後こういった機会に恵まれるのであれば上記を念頭に諸事にあたります。また古唐津が好きで堪らない自分としては、諸先輩方や友人達の言に謙虚に耳を傾けつつ、引き続きアグレッシヴにそれを追い続ける次第です。

またこのブログを読まれている方々におかれましても、忌憚のないご意見、御待ちしております!それにしても古唐津、厳しいと言われている骨董業界においてもまだまだ人気なんだな、って痛感しました。 
 もう一つ。今回刊行された号にはこのブログのURLが掲載されていたのですが、発売以降、ページ・ヴューはいつもとほとんど変わっていません。同じ号でインターネットに関する対談を行いましたが、この例をとってみても古美術・骨董業界はまだまだインターネットとのリンクで出来ていないんだなぁ、と思いました<私の本業で同ケースの事象があるとページ・ヴューは間違いなく跳ね上がります>。

 最後に…。
「事実は小説より奇なり」とはよく言ったもの。
 私は彼の地に50回以上赴き、窯跡を廻り、地元蒐集家、地権者さんや陶芸家の方々に教えを乞うてきました。現場には机上では収集できない事象が多々あります。それらを一層、身に取り込みつつ、
イメージ 1かつ古唐津が最も集まっているであろう東京で一つでも多くのそれに触れ、眼を肥やしていきたいと思います。

 それにしてもTさんの蒐集されている古唐津は素晴らしい真っ当なものばかり。重ねてここで名言させていただきます!

*今宵の独酌セット。先日勢い余って購入した隅きり盆&いつもの酒器。独酌には少し大きすぎましたぁ(涙)。