平戸系の筒
色々言われていますが僕にはとっても好ましいもの。窯跡に落ちている小皿や向付の陶片には岸岳、松浦、そして武雄系よりも濃厚な”李朝直系のニュアンス”が感じられるから。多々見受けられる、この系統特有のまるで李朝堅手を思わせる釉薬、そして高台を覆いつくす施釉法。これはこれで魅力的なんですよね<他の器と合わせ難いのが難、といえば難ですが・・・>。
さてこの盃。
4年前に信頼する気鋭の骨董屋さんに向けていただき<その時は購入せず>、その後何処かの数寄者の手を経て世田谷に。ニュウが気になり、修理に出していたのですがいい感じになって戻ってきました。
有田から三河内にかけて散在する古唐津系古窯の何処かの産だと思います。江戸初期に磁器と一緒に焼かれたのでしょう。
じっくり自分色にしていきたいと思います。
*盃以外の陶片は左から清六の辻大師堂横古窯~小物成古窯~原明古窯。