古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

とある、骨董屋さんにて

出張三昧。
今週も北へ、南へ。
鉄道は好きだし、飛行機も好き。
何より日本が好きなので日々楽しく過ごしている。

そんな中、相手先の都合で時間がポッカリ空いた。
「古唐津に強い」と言われている”大店”が近くにあることを想い出し、ちょいとお邪魔することに。

お客はいなかった。
戸を開け「こんにちは。少し見せてください」と挨拶しつつ入店。
すると、奥から店主がじろり、とネガティヴな視線を浴びせてつつ出てきた(そういうの、ってお客さんは感じますよねw)。ひと時代前の乗り。緊張感バリバリ状態。
でもまぁ、負けていられないんでw、軽く店内を一周し、一拍おいて「古唐津の盃はありますか?」
と問う。「ない」というかな、という予想に反し「ありますよ。どうぞ」と店主即答。

新たな出逢いを前に胸が高まった。

唐津は人気。特に酒器は。よく客に尋ねられるのであろう。
彼は馴れた手つきでおもむろにショウケースの引き出しを開けた。
そこには可愛らしい木地盆の上に斑が三つ、無地が一つ。
「…」
触るまでもなかった。
すぐに立ち去るのもなんなので、”見ている風”を装って一分ほど間を置き、
「ありがとうございました」と礼を述べつつ、お店を後にした。

ふ~。
なんだったんだろう。
試された?見えてない??それとも…。
答えが出ないまんま帰京。
こういうの、ってはじめて。

後味の頗る悪い「出張時の息抜き顛末」でありました。