斑の、藤の川内の、徳利
ひょんな事で出逢って、我が家へ。
と、いってもまだ半分もお支払いしていない状態だけど(売り主様、本当にすみません)。
よくある藤の川内の小徳利よりちょい大きいサイズ。
独酌にちょうど良い一合三酌の容量。口径も程よく「トクトク」と注ぎ音が心地よい。
呼びはなし、口辺の共継ぎが四分の一ほど。
…が、窯割れが底部を貫き、他部位にも大規模なニュウが!斑釉特有の釉腐りも何カ所か。
底部に直しがあるから直燗が出来ない。
常温、または冷酒しかいけないんだな。
手に持つとこんな感じ。軽い。
何気に満身創痍。
算段をこうじてなるはやで支払いをすませたい。
で、あらためてこの徳利の釉調を確認してみると帆柱、皿屋、道納屋、櫨の谷、大川原…、岸岳系&岸岳外系とは明らかに異なった印象を受ける。藤の川内周辺の砂岩は岸岳近辺のそれとは地質が違うから、素地に違いがあるのは理解出来る。またそれによって生じる釉薬の変化や窯の特性等を加味して考察しても、どうにも相違点が多すぎるように思われる。
松浦系の藤の川内、阿房谷、金石原、岳野、そして椎の峰の斑。これらの釉調はほぼ一緒。
徳利の口辺。
↑↓ 似過ぎ。直線距離だと1キロ弱?時代は違ってもリンクはあっただろう。
金石原・馬上盃陶片。
こんな風にdigっていくと益々古唐津が面白くなる。それで今宵の独酌も興を増して行く。