古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

春の窯跡巡り~その1

ずっと以前から計画していた窯跡巡り。
震災があり、一時は断念したがどうにかやりくりして行く運びになった。家をでたのは午前6:00過ぎ。寒いのなんの…。

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出発時、自宅より新宿方面を臨む。







ゆとりをもって羽田着。
7:45発のJALで長崎・大村空港へ。定刻より少し遅れて10時少し前到着。彼の地は抜けるような青空でしかも3月末というのに真冬並みの冷え込みが続く東京とは打って変わっての暖かさ。そこかしこで桜が綻んでおり、気持ちが軽くなった。

今回ガイドをしてくださるのは、ここ1年様々に肥前古陶磁のご指導を頂いている長崎在住のMさん。無理を承知でお願いして、武雄南部系、平戸北部~南部系の古窯跡をご案内していただくことになった。

因みにその日、Mさんが計画してくださった古窯跡巡りは以下の通り<遠景にて確認等は明記せず。それにしても今回の”弾丸ツアー”っぷりがご理解いただけると思う>。1:内野山<源六窯、内野山南窯、内野山北窯、内野山西窯>~2:大草野窯~3:弓野窯~4:板屋物原窯~道祖ノ元窯~5:智恵治窯~6:鳥越窯~7:百貫西窯~8:畑ノ原窯~9:古皿屋窯~10:山似田窯~11:下稗木場窯~12:葭ノ元窯~13:ハタハラ窯~14:中道窯。数度に分けて今回の窯跡巡りをアップしていくつもり。

まずは内野山古窯群。
江戸初期から明治期までの陶器、磁器の窯が混在しているエリア。

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まず昭和の頭まで操業していた源六窯から内野山南、北、西、の順でチェック。大部分宅地や農地になってしまっているが大きな造成が行われていないために、窯の在処や規模が凡そ把握出来る。所謂、古唐津系統の陶片は南窯に多く見られ、それ以外は刷毛目、銅緑釉が目立つ。磁片はあまり見受けられない。それにしても窯道具の多さが目を惹く<書籍”緑青”にあったような陶片はほとんど見られなかった>。

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すぐ脇を長崎自動車道が通っているとは思えないほどの長閑なエリア。梢で鳴く鳥達の歌声と澄んだ空気がここ数週のストレスを溶かしていってくれた。





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可愛らしい陶枕も目立つ。



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家の石垣には仏花器の陶片がさりげなくおいてある。いいなぁ、こういうの。




「この辺りが作業場で、ここで焼いて~」などと古人の営みに想いを巡らす。そうこうしているうちに、ここ数週、曇っていた気持ちが徐々に晴れてくるのに気がついた。
やはり窯跡巡りはたまらなく楽しい~つづく
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内野山古窯群遠景