古唐津 岸岳庵

24時間古唐津数奇 feat. 初期伊万里・李朝・木地盆

一片の陶片から

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先日、写真データを整理した。懐かしい写真がいっぱい。で、見入ったのは2003年頃の写真。2002年の年末にでた雑誌「Pen」の酒器特集に刺激され、唐津へ。現代作家さん達と器談義に興じ、夜は玄界灘の海の幸に舌鼓。数ヶ月間彼の地を繰り返し訪れ、そんなことをやっていた<今、思えば随分とゆとりがあったなぁ。>

櫨の谷窯 http://hazenotani.at.infoseek.co.jp/
を訪れたのは確か2003年のGW。渋谷「炎色野」で購入した片口を創り出した作家・吉野靖義氏に興味があって。他の作家とは一線を画する土味<聴くと氏は「粘土」からではなく「砂岩」を砕き水簸、かつ手を加え陶土を生成している、とのこと。後述の梶原氏もそうだが、私はこの製法が最も当時のそれに近い、と思っています>&シンプルな作風は僕の琴線を刺激しまくりだった。靖義氏をサポートする佳子氏に色々と伺いながらぐい呑みやら徳利やらを数点買い求めた。その際におまけで戴いた一片の陶片・斑皮鯨<櫨の谷古窯発掘>。「これが古唐津、です。これを追い続けているんです」と吉野父娘両氏。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
衝撃、でした。家に帰り、所有する作家さん達と比較するも全く異なる土味。

オリジナルは”強い”。

以来一層唐津行きを繰り返すように。梶原靖元氏と知己を得、氏に古窯跡を案内していただき、古唐津に嵌るはめに。さらに東京の骨董屋さん、特に西荻窪系のお店にも色々ご教授いただくようになり現在にいたる。

思えば一片の陶片からだったんだなぁ、と写真を見て感慨に耽った次第。今後も魅了されまくるんだろうなぁ、古唐津に。

*写真がその陶片ときっかけになった吉野氏の絵唐津片口。