掛け分けの徳利<Not 牛石>
肩付きの形で首から肩にかけて鉄釉、それより下は土灰に長石を混入したと思われる釉薬。酸化気味の焼成で枇杷色。惜しいかな首は呼継ぎで高台は糸切り、土味は鉄分やや多めだ。器高12センチぐらいで容量でいうと1合2酌ぐらいいけそうかなぁ、って感じ。
「牛石ですか?」とご主人に聞くと「一位ノ樹山<いっちのきやま>です」<武雄北部系>との答え。言われてみればこういった形は牛石にはない。彼の地は2004年の春以降、何度か訪れている。相当傾斜のきつい斜面の窯跡。
まだ分割で払い終えていないものがあり、喉から手が出るほど欲しかったが断念。
良かったなぁ、あれ…。
で、その余韻もあってか帰宅後、陶片をごそごそしてみる。
「あった、あった!」。一位ノ樹山のすぐ近くの金山谷<かなやまだに>古窯の徳利陶片<*写真>。見かけた徳利のサイズはまさにこれ。更にあの徳利が欲しくなってしまう、どうしようもない自分…。
それにしてもこの徳利陶片、厚くて下手な造りですね。完品重そう。よく見えませんが側面にほんの少し鉄絵のようなものが…。