古窯巡り Vol.7
まずはご当地数寄者宅で様々な逸品をお見せいただく。今回はお茶碗をメインに。今まで見たこともない絵が描かれた絵唐津、美々しい釉調の斑皮鯨等々。ク~、やられました、勉強になりました・・・。
で、その後。
狼が鞍~川古窯の谷<下窯他>~広高麗~宇土の谷~平松~皿屋~帆柱。
どこもいろいろと興味深かったのだが特に今回印象的だったのが川古窯の谷。
古窯跡に向かう途中、道を訊いた地元の方が非常に親切な方でまず下窯に連れていってくださった。でかい、すごい。同じような印象を「椎の峰上窯」で受けたがここはそれ以上、かも。調べてみたら57メートルにもなる登り窯があったそう。これはどこの窯跡について言える事だがダイナミックな盗掘跡がそこかしこに。盗掘穴から物原の断面が見え、大皿、すり鉢、向付、小皿の折り重なる様子が!特徴的なのが、小皿はそのほとんどが立て縁の碁笥底<またはほとんど立ち上がりのない高台>であること。釉薬の掛け方もなんだかそれを惜しんでいるがごとく、土見せの多さが目立つ。種類でいうと絵唐津、無地、刷毛目、鉄、錆が見受けられた。
その後、前述の方の案内で<多分誰も知らないよ>という未発掘の窯跡へ。といっても下窯と比べるとだいぶ時代は下がる二彩唐津主体の窯跡。やっぱり勇気を持って地元に人に訊いてみるもの、である。
その後、錆の谷方面へ抜ける古道<冷や冷やする細く危険な山道>を抜け、谷を挟んで錆の谷と向かい合う向高麗古窯へ。以降前述の通りにムーヴィン&アラウンド。
そういえば川古から広高麗に抜ける峠道で、獣道を思わせる当時からの古道が視認。古唐津が作られていた時代を彷彿することが出来、やたらと感動する。現場に行ってナンボ、だなぁ、と思った次第。
それにしてもつくづく古唐津が好きなんだなぁ。何がそこまで私を衝き動かすんだろう・・・。
写真は川古窯の谷下窯の物原と川古から錆の谷方面へ抜ける古道<写真中央の木々の根のあたりに見える筋が道>。